出版社内容情報
中間表現型の概念を手がかりに,アスペルガー症候群や統合失調症などの描画の読み解きを通じて描画臨床のさらなる可能性を探る。
中間表現型(endophenotype)とは遺伝子型と表現型の間に想定される生物学的マーカーのことであり,近年,精神疾患の診断や治療において注目されている概念である。特集では,この中間表現型の概念を手がかりに,アスペルガー症候群や統合失調症などの描画の読み解きを通じて描画臨床のさらなる可能性を探る。
目次
特集 描画は中間表現型になりうるか(特集にあたって 臨床描画は遺伝学でいう中間表現型(endophenotype)の候補になりうるか
アスペルガー障碍における創造的営為
思春期問題少年の研究と治療―精神療法を中心として ほか)
特別講演 実存分析の非言語的な側面
特別寄稿(解決志向セラピー(Solution Focused Therapy)と描画
TF‐CBT(トラウマ焦点化認知行動療法)グループ療法におけるアートワークの試み)
研究論文(中学生における自尊心の質と適応に関する一研究―質問紙法と樹木画テストとの比較検討から;表現補助としてのコラージュの試み―デイケアで社会復帰につながった1事例を通して;樹木画法における根の解釈仮説の検討―自我機能と攻撃性との関連 ほか)
資料 統合型HTP法に関する基礎的研究―描画順について