内容説明
現代社会で失われた“居場所”をとりもどすために考えられることとは―社会学、哲学、教育学、生命倫理学等からの学際的アプローチ。
目次
1 現場から“居場所”を問う(“居場所”そして“持ち場”―高齢化と人口減の町で考えた;“居場所”の喪失と回復―「いのちの電話」活動の経験から;子どもの居場所づくりをどう進めるか―3・11以後の環境教育・自然体験学習論を踏まえて;原発事故被災者として“居場所”について考える)
2 現代“居場所”考―哲学・社会思想の視座から(“居場所がない”ということ―承認をめぐる闘争と病;“居場所”と「社会で生きる権利」;障がい児者を巡る受容と排除―生存権理解と関わって)
3 脱成長による持続可能な社会へ(政治的エコロジーと「もうひとつのグローバリゼーション」―脱成長と“居場所”の創出のために;ノーマリズム(正常化志向)と成長の危機、そしてサステナビリティ(持続可能性)の二重の意味について)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
40
今日の新自由主義的な強固な競争的・自己責任的・管理的社会のなかで居場所そのものが奪われている状況にあるなかで、あらためて居場所とは何なのか、それを取り戻すにはどうすればいいのかを考察した内容です。居場所とは、その場にいることで存在意義を感じることが最低限必要です。そのためには他者からの承認があり、自己肯定感が育まれる場でなければありません。一人での場だとしても、何かしらの関係性があるからこそ居場所へと発展するのだと思います。とても考えさせられた内容の濃い本でした。おすすめです。2019/01/22




