内容説明
政和二(一一一二)年。華州華陰県史家村に若い双子の兄妹がいた。男の名は史進、女の名は史儷。二人とも眉目秀麗で棍術の達人だった。晩夏のある日、少華山の盗賊との戦いのさなか、王進という男と出会う。王進は東京開封府八十万教頭―近衛兵たちの武芸師範だった。この出会いは、二人を含めた多くの人間の運命を変えていくことになるのだが…。圧倒的なスケールと迫力で描く、平谷美樹版「水滸伝」、堂々の開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
101
かなり面白かったー この本は平谷さんが描いた水滸伝である。平谷さんの水滸伝では史進に双子の妹がいて史儷がいる。北方謙三さんが書いた水滸伝を読んだことがないので比較は出来ない。だが、こちらの水滸伝もみなキャラがたっててすごく面白い。やはり三国志と同様、世の中が荒れているほうが英傑が出やすいと言えるだろう。私はこの本に出てくる王進が好きである。人間らしいところがすきである。李忠より自分のほうが強いと言うシーンがすきである。続きをはやくよみたいと思った!2019/12/09
海猫
81
それなりに水滸伝は読んできたけれど、マニアというほどでもないのでこの作品がどうアレンジしているか細かくはよくわからない。それでもエピソードを整理してコンパクトに語ってる、単純な勧善懲悪に仕立ててはいないの2点は著者のオリジナリティーと見て間違いないように思う。初巻としては簡潔に読めてスイスイ展開するのでかなり良いです。雰囲気は古典ながらも語り口はたいへん現代的にリニューアル。痛快さもちゃんとある。特に勧善懲悪の考え方を変えると梁山泊の豪傑のあり方も変わってくると思うので、今後の展開に興味津々。続巻待ち。2015/04/23
金吾
18
著者のオリジナルも取り入れた水滸伝です。史進が双子で併せて九紋竜という設定がこのあとどう活きてくるのかが楽しみです。全体的に淡々としています。2021/04/11
のりあき
17
定評ある北方水滸伝よりも先に、成り行きでこちらを読んでしまいました。今まで水滸伝自体読んだことなかったので、創作だったのを知りませんでした。話がストレートなのは創作ならでは。でも単純過ぎず、熱中して一気読みしてしまいました。そういえばこの作家の『風の王国』が大作過ぎて読了してなかった。読んでおこう。2016/04/10
007
16
面白い!王進かっこいい。しかし、策士が多い波乱の時代を生き抜くのは大変だなぁ。次巻へ。2015/12/31