内容説明
パチンコをすれば大当たりで玉が止まらない。食券を買えば注文と違う高価な食券が出てくる。覚えもないのに会社の営業成績が二倍以上になっている…。自分の意思と関係なく、すべての物事が良いほうへ良いほうへと転がっていく不思議な事態に見舞われた男にまつわる因縁話とは?―(「ふかなさけ」)。「失業保険」と「変貌」の二篇を全集として新たに収めて贈る全三十三篇。
著者等紹介
小松左京[コマツサキョウ]
1931年、大阪市生まれ。京都大学文学部卒。61年「地には平和を」でSFコンテスト選外努力賞。64年に処女長篇『日本アパッチ族』を発表。73年『日本沈没』で日本推理作家協会賞、85年『首都消失』で日本SF大賞を受賞
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感想・レビュー
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可兒
3
久々に小松左京。時代を感じる作品がいくつかあったが、逆に言えばほかのショートショートは2010年代になっても古さを感じさせないわけで、なんという人だったのかと改めて思う2013/10/13
hirayama46
3
1960年代(いまから50年以上前!)の作品がメインなので、やや古びている作品も多いですが(高度経済成長だったのだなあ)、総じてなかなか面白かったです。お気に入りは星新一や平井和正も出てくる「一生に一度の月」。2010/07/09
ビリー
2
頭が疲れたときにはショートショート。『日本沈没』で有名な小松左京、初めて読んだけど面白かった。短編は星新一と似てる。同時代の日本のSF界を牽引していた二人は、きっと相互に影響し合っていたんだろう。表題の『ふかなさけ』はスピルバーグの映画『イーグル・アイ』を彷彿とさせた。この構想を60年代に思いつける先見性はやはり驚嘆に値する。2013/06/16
1_k
2
今から見ると、古臭いのだが、その当時にこれだけの発想が出るのがなんとも。小松先生は化け物か。2011/10/18
ナンさん
1
小松左京のショートショートは星新一のシニカルさや筒井康隆の毒気が強い作風では無いので2人のショートショートの中間くらいの位置にあるなぁと改めて思う。2018/02/27