出版社内容情報
無国籍的・国際的という作家神話を捉え直し、ナショナリズムに積極的意義を見出していた一九五〇年代の創作活動に焦点を当てる。本著は、安部公房にまとわりつく無国籍的・国際的という作家神話を再審に付すことを目指し、ナショナリズムに積極的意義を見出していた一九五〇年代の安部の創作活動に焦点を当てる。満洲での植民地支配者体験、そして占領下日本での被支配者体験がテクストに与えた影響を分析しながら、安部公房と「日本」という問題を再考する。
序章
第一章 「複雑」なナショナリズム―「国民文学」を巡る問題―
第二章 主観的被害者か、客観的加害者か―「変形の記録」における死人形象と戦争責任論―
第三章 〈帰郷〉出来なかった引揚者をめぐって―『開拓村』論―
第四章 安部公房と「一九五六年・東欧」
第五章 脱植民化としての引揚げ―「けものたちは故郷をめざす」論―
終章 「アメリカ」とナショナリズム
あとがき
坂 堅太[サカケンタ]
1984年、大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、三重大学人文学部特任講師。専攻は日本近現代文学。
主要業績に「東宝サラリーマン映画の出発―家族主義的会社観について―」(『人文論叢』第33号、2016年)、「二重化された〈戦後〉―源氏鶏太『三等重役』論―」(『日本文学』第64巻第2号、2015年)など。
内容説明
満洲での植民地“支配者体験”、占領下日本での“被支配者体験”。作品に与えた影響をとらえ、安部公房と「日本」というテーマを再考する。
目次
序章
第1章 「複雑」なナショナリズム―「国民文学」を巡る問題
第2章 主観的被害者か、客観的加害者か―「変形の記録」における死人形象と戦争責任論
第3章 “帰郷”出来なかった引揚者をめぐって―『開拓村』論
第4章 安部公房と「一九五六年・東欧」
第5章 脱植民地化としての引揚げ―「けものたちは故郷をめざす」論
終章 「アメリカ」とナショナリズム
著者等紹介
坂堅太[サカケンタ]
1984年、大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、三重大学人文学部特任講師。専攻は日本近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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