内容説明
昭和一六年末―。日米の緊張が高まる中、日本の首相中島知久平は外務省から渡された「満州から撤退せよ」と記される最後通牒に苦悩していた。だが、これは米国務長官ハルにとって試案であり、最後通牒ではなかった。この重大な情報の改竄は、広大な満州に広がる“省”の利権に固執した外務省の手によるものだった。海軍省の外郭団体“興国海運”から、そのことを知った中島は橘外相を更迭。新たな情報収集機関“中央情報局”を設立し、戦争を回避しようと力を尽くすが、米国はついに日本へ宣戦布告をする!日米戦の行方は?日本の命運は?太平洋を朱に染めるシミュレーション巨篇、第一弾。