内容説明
地域福祉を全世代型包括的支援システムへと転換するためには何が必要か。甚大な影響を与えたコロナ禍を経て、地域福祉がそのレジリエンスを果たすためにどのような視座に立ち、地方自治体単位において全世代に対応するシステムの再構築をどのようになすべきか、重層的支援体制整備事業はどのような意義や役割、課題を有するかについて、理論的・実証的に探る。第1部では、地域特性に応じた包括的支援と地域包括ケアのシステム構築に向かう全国的な動向を分析し、さらに第2部では、先進的に重層的支援体制整備事業を試行している自治体や関係機関の実践事例について、綿密な調査に基づく結果をもとに、そのシステムの特徴の特徴と整備までのプロセス、その成果や今後の課題を明らかにする。
目次
第1部 全世代型の包括的支援システムとしての地域福祉とは(総論:地域福祉における全世代型包括的支援システムの基本的視座と展望―重層的支援体制整備事業の先進的取り組みを通して;ヤングケアラーを通じてつながる人々;若者のひきこもり問題における包括的支援の課題と展望;文化権の保障がひらく「参加」支援の可能性;地域共生に向けて「障害のある人が働く店舗」が果たす役割;リンクワーカーを中心とした高齢者の社会参加支援と地域づくりの支援モデル―松江市淞北台地域の活動事例に基づいて;都市部男性高齢者の社会参加と重層的支援体制整備事業;身寄り問題の政策的展開と地域福祉実践―社協による高齢者等終身サポート事業を手がかりに;在宅看取りの実現をめざした在宅療養体制―神奈川県横須賀市を事例として)
第2部 地方自治体における重層的支援体制整備事業の先進的取り組み(北海道音更町―音更町の重層的支援体制整備事業における専門職の役割と機能:包括化推進員の取り組みをもとに;岩手県遠野市―新たな地域支え合いを「つなぐ・つながる・ひろがる」ことで「福祉でとおのづくり」を;栃木県市貝町―人口減少が続く小規模自治体における社会資源を活用した重層的支援体制の整備;長野県伊那市―行政と社会福祉協議会の「響働」で推進する重層的支援;東京都狛江市―包括的支援体制の構築を福祉基本条例に位置づけ、「支援・つなぎ・出会い」の重層化を公民協働で進める;神奈川県藤沢市―神奈川県藤沢市における重層的支援体制整備事業の展開と課題:地域包括ケアを基盤とした「藤沢モデル」の実践;愛知県豊川市―既存の支援機関等の機能や専門性を生かした連携支援システムの構築;香川県さぬき市―おもいやりネットワークを活用した包括的支援;鳥取県北栄町―自治会・小中学校圏域・町全域のネットワークで進める包括的支援体制構築の取り組み;熊本県益城町・合志市―熊本地震後の被災者支援を基盤として構築された重層的支援体制事業)
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