内容説明
ヘルマン・ヘッセの未刊・未訳の小品の数々、詩集などの作品を集成した決定版全集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
ヘッセ全集のメルヒェンや物語集(主に短篇)を集めたものです。メルヒェンは昔新潮社の高橋健二さんの訳で読んだことがありますが、すべてではなかったようです。本当は21編収められています。メルヒェンとはいうものの日本でいう童話というイメージではなく、ドイツの民話的あるいは少しシニカルな感じもあ与えてくれます。以前にも読んだ「アウグストゥス」や「魔術師の幼年時代」が印象に残りました。2023/08/06
Gotoran
43
本巻には、「メールヒェン」として1919年~1933年に著された21作品と「物語Ⅶ」として1919年~1936年に執筆された17作品が収録されている。ヘッセ42~58歳に当たる時期で、仕事の苦悩や肉親の死など、様々な悩みの渦中にあったが、ユングの弟子たちの助けを借りて、精神の回復を果たしたと云う。(その後に著されたのが『デーミアン』)。心理学、精神分析、仏教、東洋哲学へと関心を深めていった中での静謐で内省的なヘッセの世界観を味わうことができた。2018/06/27
訪問者
6
久しぶりに読むヘルマン・ヘッセに堪能する。この巻は『メールヒェン』と短編集を収める。『アウグストゥス』は何回読んでも素晴らしい傑作。2025/03/21
訪問者
4
「メールヒェン」と短編集を収めた巻。「アウグストゥス」は傑作。2019/01/18
ぷるぷる
2
当然メルヒェン目当て。久しぶりに読みたくなりました。 メルヒェン名義で21も話あったとは知りませんでした。全体通じての淡く儚い雰囲気は昔受けた印象と変わりません。但し書かれたのが第一次世界大戦直後という背景が頭にある現在では争いや国や民族をテーマにした作品群は幾分切実に響きます。やっぱり好きなのは「ファルドゥム」「ピクトルの変身」「アウグスツス」である。突然擬人化されてしまう動物や静物が今読んでも新鮮に感じました。心と時間に余裕を持てるようになったらもう一度じっくり味わって読みたいですね。2018/09/11
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- 和書
- ダモイ遥かに