内容説明
室町幕府の政治とはどのようなものだったか。足利義詮から義満、義教へ至る権力をめぐる駆け引きを明らかにする。大きな戦乱に見舞われることのなかった時代を、東アジアの動向を背景に、地域社会と民衆の活気を交えて描く。
目次
序章 室町という時代
1 貞治・応安の平和
2 西と東の王権
3 足利義持の時代
4 武士たちの世界
5 地域社会と人の動き
6 専制政治とその挫折
終章 室町時代の政治と社会
著者等紹介
山田邦明[ヤマダクニアキ]
1957年新潟県に生まれる。1984年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、愛知大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
14
本シリーズは、木村茂光さんの「中世社会の成り立ち」以来。少しずつ必要に応じて買つたり、読んだりしてゐる。関東の大学(出身も含む)の先生がシリーズの執筆をしてゐるといふこともあるのか、各巻とも、いはゆる中央(京都)のことばかりではなく、関東(鎌倉)をまう一つの中心として据ゑてをり、さういふ意味ではバランスが取れてゐるやうに思へた。義満で室町幕府の有りやうを説明し終はらず、義持政権の性格についての記述が充実したこと、室町期の守護と幕府との関係理解等、この間の研究成果にも配慮がある。2018/01/12
ほうすう
10
室町時代の通史、足利義詮・義満・義持・義教の時代を主として扱っている。室町の平和というタイトルの割にどこが平和なんですかねという勢いで戦争ばっかりしてる。だからこそ面白みを感じるところもあるのですが。こんなにも楽しい時代なのに戦国時代に比べて何故人気がないのだろうか、やはり信長のような軸となる人物が不在なのが痛いか。著者があとがきで述べているように”もう少しこの渋いながらも豊かな時代に興味を持つ人が増えてくれれば、と願っている。”ということに強く同意である。2020/09/25
組織液
7
都鄙関係の参考程度に。2023/12/21
ohmi_jin
2
江戸時代に比べればどこが平和やねんと大ツッコミ入れたくなる状態だが、鎌倉末期から南北朝時代を経てのことと考えれば、これもその時代の人たちにとっては平和だったか。 小さな矛盾を孕みながらも平和だった時代は過ぎ、長らく続いた荘園制度を吹き飛ばす大きな大乱の足音が聞こえつつある中、この本は終わる。2022/07/23
血と鉄
0
傍若無人な振る舞いをしながらも責任も果たしてる義詮や義満、義持と自棄になってしまってる天皇が対照的で印象に残った。将軍の振る舞いに右往左往する貴族の日記が、将軍家の存在感が増大していく当時の空気を感じさせて、公武一体する室町殿の権力を実感させた2016/03/25
-
- 和書
- 講座警察法 〈第2巻〉