内容説明
この研究の特色は、日本の都市のなかで展開される祝祭的行為をよりどころにして、そこに反映される都市生活の実態のなかから社会文化的な特性を見出し、現代都市化社会の本質的理解に役立てようとするところにある。祝祭を本書では、「日常生活の反転、それからの脱却と変身によって、日常的な現実を客観化・対象化し、それによって感性の生活を復活させ、社会的な共感を生み出す共同行為」と定義する。ここでは思い切った概念の拡張がはかられているが、これによってさまざまな現代の祝祭的行為をそのうちにつつみこみ、その社会的性格を類型化しようと試みた。
目次
序論
第1章 伝統的都市祝祭〈1〉秩父本町の生活共同
第2章 伝統的都市祝祭〈2〉府中における祝祭共同の内包と外延
第3章 非伝統的都市祝祭―高円寺阿波おどり
第4章 社会解体期における都市祝祭の論理



