出版社内容情報
「ヘーゲルによる古典哲学の完成」「マルクスとキェルケゴールによるヘーゲル哲学の批判と解消」「ヘーゲルの宥和」の三論文からなり、著者の基本図式を最もよく示すものである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さえきかずひこ
9
本書は1934年から36年にかけてレヴィットがローマ滞在中にフランス語で書いたふたつの論文「ヘーゲルによる古典哲学の完成とマルクスおよびキェルケゴールにおけるその解体」と「ヘーゲル的宥和」を一冊にまとめたもの。 前者は、ヘーゲルの哲学を批判して現れたマルクスとキェルケゴールの哲学についてその対照性と類似性を論じている。後者は主にマルクスによるヘーゲル哲学批判を援用し、ヘーゲルの"宥和"、世界との"和解"のあり方を批判的に素描している。短くてすぐに読めるので、次は『ヘーゲルからニーチェへ』に挑戦してみたい。2018/05/13