出版社内容情報
世界的な役割を再考し、ECにも加盟したが、結局は英米間の「特別な関係」への従属を深めた戦後イギリス外交の再編過程を考察する戦後国際秩序は、1950年代後半以降、デタント、脱植民地化、ヨーロッパ統合の進展などによって大きな変容を遂げた。そのなかでイギリスは、「世界大国」からの転換を余儀なくされながら戦後外交の再編を行った。本書は、イギリスが、なおも「世界大国」の自画像やノスタルジアを抱きつつ、世界的な役割を再考し、EC加盟を実現したものの、結局は、アメリカとの「特別な関係」への従属を深めることになった外交の再編について考察する。
序 章 戦後イギリス外交の再編の試み
1 「三つのサークル」と戦後外交の再編
2 英米間の「特別な関係」、外交の基盤、「世界大国」としての自画像・ノスタルジア
第?部 戦後イギリス外交の再編の模索の始まり??マクミラン政権、ダグラス=ヒューム政権の時代(一九五七~六四年
第1章 英米間の「特別な関係」の修復とスカイボルト危機
1 スエズ戦争後の「特別な関係」の修復
2 イギリスの核抑止力とアメリカへの依存
第2章 第二次ベルリン危機と米ソ接近
1 第二次ベルリン危機の勃発
2 調停国としての外交の挫折
第3章 英米間の「特別な関係」の再構築と統合ヨーロッパ
1 ヨーロッパ統合に対する独自の構想
2 イギリスのEEC加盟をめぐる米欧関係
3 アメリカとヨーロッパとの架け橋を目指して
第?部 「帝国・コモンウェルスから統合ヨーロッパ」へ??第一次ウィルソン政権の時代(1964~70年)
第4章 イギリスとヴェトナム戦争
1 ヴェトナム和平外交の始まり??1964~65年
2 イギリス主導のコモンウェルス・ミッション構想??1965年
3 ヴェトナム和平外交の挫折??1966~67年
第5章 世界的な役割の縮小と統合ヨーロッパへの再接近
1 世界的な役割の再考
2 再び統合ヨーロッパへ
第?部 戦後イギリス外交の再編の収束??ヒース政権の時代(1970~74年)
第6章 デタントとイギリスのEC加盟
1 超大国デタントの成立
2 EC加盟の実現とヨーロッパ・デタントの進展
第7章 大西洋同盟内の対立
1 キッシンジャーの「ヨーロッパの年」演説
2 第四次中東戦争と第一次石油危機
第8章 英仏核協力構想の新たな模索
1 英仏核協力構想とイギリス「独自」の核抑止力
2 「特別な防衛関係」への依存
終 章 戦後イギリス外交の再編の試みとその収束
1 漂流するイギリス外交
2 再編の収束後のイギリス外交
註
あとがき
主要参考史料・文献
事項索引
人名索引
橋口 豊[ハシグチ ユタカ]
著・文・その他
内容説明
戦後国際秩序は、1950年代後半以降、デタント、脱植民地化、ヨーロッパ統合の進展などによって大きな変容を遂げた。そのなかでイギリスは、「世界大国」からの転換を余儀なくされながら戦後外交の再編を行った。本書は、イギリスが、なおも「世界大国」の自画像やノスタルジアを抱きつつ、世界的な役割を再考し、EC加盟を実現したものの、結局は、アメリカとの「特別な関係」への従属を深めることになった外交の再編について考察する。
目次
戦後イギリス外交の再編の試み
第1部 戦後イギリス外交の再編の模索の始まり―マクミラン政権、ダグラス=ヒューム政権の時代(一九五七~六四年)(英米間の「特別な関係」の修復とスカイボルト危機;第二次ベルリン危機と米ソ接近;英米間の「特別な関係」の再構築と統合ヨーロッパ)
第2部 「帝国・コモンウェルスから統合ヨーロッパ」へ―第一次ウィルソン政権の時代(一九六四~七〇年)(イギリスとヴェトナム戦争;世界的な役割の縮小と統合ヨーロッパへの再接近)
第3部 戦後イギリス外交の再編の収束―ヒース政権の時代(一九七〇~七四年)(デタントとイギリスのEC加盟;大西洋同盟内の対立;英仏核協力構想の新たな模索)
戦後イギリス外交の再編の試みとその収束
著者等紹介
橋口豊[ハシグチユタカ]
1964年鹿児島市生まれ。1996年名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。名古屋大学法学部助手、札幌学院大学法学部助教授、龍谷大学法学部准教授を経て、龍谷大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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