内容説明
本書は、戦前の三つのオリンピック(ロサンゼルス大会、ベルリン大会、幻の東京大会)が、日本においていかなる社会的・文化的意味を持ち、国民意識の形成とどのように関わってきたのかについて明らかにするものである。オリンピックというメディアのイベントにおいて、ナショナリズムとインターナショナリズム、娯楽の要素はいかにして肥大化していき、極限に至ったのか。その過程を描き出す。
目次
メディアのイベントとしてのオリンピック
第1部 オリンピックの政治経済学―表象を生み出すメカニズム(新聞社―報道と事業活動をめぐる競争の過熱;放送局―新技術の実験舞台としてのオリンピック;企業―消費文化とオリンピックの結合;政府・国家―対外宣伝・国内統合・外交戦略;一九四〇年東京オリンピック―東京市・政府・メディア・企業の交錯する思惑)
第2部 オリンピックの表象―メディアが描き出した一九三〇年代(東京三紙のロサンゼルス大会表象―国際舞台で奮闘する日本人;東京三紙のベルリン大会表象―ナショナリズムの肥大化;地方紙の報道―ローカリズムとナショナズムの重層構造;雑誌の報道―多様な言説空間)
近代日本におけるオリンピックの力学
著者等紹介
浜田幸絵[ハマダサチエ]
1983年生まれ。2005年成城大学文芸学部文化史学科卒業。2007年東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科修士課程修了。2009年ラフバラ大学大学院社会科学研究科メディア文化分析専攻修士課程修了。2012年東京経済大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程修了。現職、島根大学法文学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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