内容説明
異人論はかつて同時代の多くの分野の研究者の関心を集めた。本書は、あらためて今日における異人論の可能性を探ること、汲みとられるべき可能性を見出すことを目的とした共同研究の成果。
目次
異人論を再考する―その可能性を探る
第1部 異人を問うフレーム(現象学から見た異人論―雰囲気の異他性と民俗文化;異人論の問題構図―小松異人論とジンメル異人論;現代社会における知人の発達と異人の物語;ドイツ民族学における異人論―フォルクとフレムデを越えて)
第2部 異人をめぐる表象(メディアの“共同体”と“他者”表象について―アフター・テレビジョン時代に向けての覚え書き;帝国日本映画における朝鮮/映画へのまなざし;異「人」化する妖怪言説―「正体探し」と「異界殺し」)
第3部 異人をめぐるフィールド(ストレンジャー体験と愛着の位相―はざまに立つことの意味;異人論から見た韓国の巫俗―ソウルの村祭りを中心に;うわさ・託宣・反乱―想像上の西洋人と膏取り一揆;殺された異人の“顔”―“異人論”における「倫理」の問題)
補論 異人論の時代
著者等紹介
山泰幸[ヤマヨシユキ]
1970年生まれ。2000年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(社会学)。現在、関西学院大学人間福祉学部教授
小松和彦[コマツカズヒコ]
1947年東京都生まれ。1976年東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。現在、国際日本文化研究センター所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。