内容説明
『古事記』『日本書紀』のなかの主要なもの、ことに神話を中心にこれまでの議論の矛盾や無視されてきた疑問点を洗い出し、九州を主舞台とした最古王朝の存在を明らかにする。『記・紀』の史料としての素性から、内容の真偽までを徹底的に再検証する。長文の書き下ろし「日本の生きた歴史」を新たに加えて、待望の復刊。
目次
謎にみちた二書
いわゆる戦後史学への批判
『記・紀』にみる九州王朝
蔽われた王朝発展史
「盗作」の史書
蜻蛉島とはどこか
天孫降臨地の解明
傍流が本流を制した
「皇系造作説」への疑い
神武東征は果たして架空か
侵略の大義名分
『記』と『紀』のあいだ
天照大神はどこにいたか
最古王朝の政治地図
真実の面前にて
神話と史実の結び目―朝日文庫版あとがきに代えて
日本の生きた歴史
著者等紹介
古田武彦[フルタタケヒコ]
1926年福島県生まれ。旧制広島高校を経て、東北大学法文学部、日本思想史科において村岡典嗣に学ぶ。長野県立松本深志高校教諭、神戸森高校講師、神戸市立湊川高校、京都市立洛陽高校教諭を経て、1980年龍谷大学講師。1984~96年昭和薬科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tetsu
2
ミネルバ書房・復刊。古田氏の「九州王朝説」をさらに補完する、説得力のある内容。否定できる論理が有るとは考えらえない。 「日本書記」の「神代紀」の舞台は九州。九州王朝の神話である。「神代紀」に頻出していた「一書」群が、神武以降つまり九州が舞台でなくなったとたんに、姿をけしてしまった。この一線を境に依拠すべき資料・史料がすっかり変わった事実。 「日本書紀」は最も肝心なところで、「日本旧紀」からの接ぎ木、挿入、改ざん等によって出来上がっている。そのように読むと、いままで「謎」とか「矛盾」とかされながら解決され2012/11/17
Ami
0
古事記、日本書紀には元となった歴史書があった。流し読みですが非常に興味深い考察でした。今度ちゃんと読み直したいです。2018/11/19