翻訳史のプロムナード

翻訳史のプロムナード

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  • サイズ B6判/ページ数 275,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622045625
  • NDC分類 801.7
  • Cコード C1090

出版社内容情報

従来あまり光を当てられなかった翻訳と翻訳家の軌跡を古代から現代までたどり本質を照明する。

内容説明

翻訳家という情熱家の姿を追いかけ、中世のアラビアから現代のヨーロッパまで訪ね歩くユニークな文化史。資料の森に分け入って、異文化接触の知られざる立役者に光を当てる。

目次

第1章 翻訳はいつからあるのか
第2章 バグダードからトレドへ
第3章 フランス・ルネサンスのパイオニア
第4章 不実の美女―ルイ14世時代の翻訳論争
第5章 翻訳に情熱をそそいだ作家たち
第6章 有名にして無名な翻訳家―時のヒロインとなった女たち
第7章 翻訳家組織のパイオニア

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

155
米原万里さんの著作に紹介されていた本。古くはエジプト古王朝の時代から現代までの翻訳の世界史(著者の辻由美さんの経歴からして西欧中心なのはやむをえない所)を語る。古代ギリシャの英知がアラビア語に訳され、やがてそれが西欧語に訳されることで、ルネッサンスに大きく寄与したことは知っていたが、知らなかった多数の偉大な翻訳家たちや、その労苦を知ることができた。ことに、エミリー・デュ・シャトレや、クレマンス・ロワイエ、そしてドニーズ・クレルーアンといった、女性の真に偉大な翻訳家の評伝は、読む者に強い共感を呼び起こす。2014/09/16

ともくん

9
フランスでの翻訳の歴史を日本人がまとめた、めずらしい本です。違う国の言葉からの翻訳というのは、同じ単語が無い場合が多く、大変難しいというのは、どこでも同じなのですね。2014/09/27

駒子

7
米原万里さんのエッセイで知りました。フランスの翻訳史。フランスでは「美しい文章だが、原文に忠実でない翻訳」を指して「不実な美女」と呼ぶというのが面白い。2014/08/22

ががが

6
1993年刊行、フランスをメインにした翻訳の歴史。翻訳という側面から文化の伝達を見ていくのはとても新鮮で、そもそも翻訳者という存在がなかなか文化史の表舞台に出てこないので知らないことが多かった。原文重視か訳文重視か、といった翻訳に関する論争や、「不実な美女」訳の是非など翻訳の技術的な問題にも歴史があることが分かる。訳す人がいなければ、その言語文化は伝えられず多くの人にとってはないも同然のものになってしまう。翻訳が文化史になかで果たしている役割を考えると、ある意味翻訳者は文化の伝道者と言えるのかもしれない。2022/09/21

Hiro

5
翻訳家のエッセイは読んで楽しい。英語はじめ色々な言語の、文法書にはない、親しみ易い挿話や、日々の翻訳の実態を具体的に教えてくれる。だが本書はそうしたこと以上に、文化史に貴重な貢献をしてきた翻訳の意義と、強い使命感と抜群の知性、そして疲れを知らぬ精神力を持った多くの翻訳家の生きた歴史をこまやかに伝えて実に感動的だ。ギリシアローマの古典が近代に伝わるまでのイスラム文明を介した翻訳の役割、史上に残る翻訳者たちの献身的な勉強の様子などとても興味深い。特に紹介された幾人かの翻訳家の生涯は涙なしでは読めないくらい。 2022/07/27

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