内容説明
「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へ。会社本位主義から人間本位主義へ。そして、「真の豊かさ」を追求する「生活大国」構想を盛り込んだ新経済5ヵ年計画。―こうした論調に本書は検討を加え、メセナに限らず商品開発や京都景観論争にも論及し、文化と経済の関係について様々な角度から鋭いメスを入れる。経済活動と文化活動との錯綜した関係を解きほぐし、「心の豊かさ」の内実を探る文化経済学の構想。
目次
1 「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へ?
2 文化経済学の輪郭
3 文化経済学の理論
4 文化経済学の思想史―「公と私」のかかわりから見た文化と経済
5 経済倫理学へ向けて―「消費者」から「注視者」へ