内容説明
本書は、東京国立博物館が昭和61年度から行っている「館所蔵模写・模本類による原品復元に関する調査研究」の昭和62年度事業「古画類聚に関する調査研究」の報告書である。『古画類聚』は江戸時代の後期、一種の絵引き、諸物の百科全書として松平定信侯によって編纂された。これは奈良時代以来の絵画作品、主として絵巻ものを中心に、肖像画、神像等の彫刻、さらに若干の染織作品を加えて、これらの図様を写しとり、さらに主題別に分類して再編成されたものである。取り上げられた原典は、すでに亡失した幻の絵巻、あるいは古文書などの記録だけに散見する作品等も含めて400余、図様の総数は2,657の場面にのぼる。
目次
髣〓研究の概要
『古画類聚』図様総覧
研究報告(『古画類聚』について;『古画類聚』の成立;『古画類聚』所載図様の原本について;『古画類聚』のデータベース化について;『古画類聚』調査報告;『古画類聚』宮室巻について;絵巻物に見る運搬具としての曲物)