下流の宴

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  • サイズ B6判/ページ数 426p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620107530
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

普通に暮らし、普通に生きてきたつもりだったのに。自分は下に落ちていた?家族。生き方。変わるもの、変わらないもの。身近に起きる格差社会の現実を真正面から描いた、大反響の新聞連載小説。

著者等紹介

林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨県生まれ。コピーライターを経て、82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞、95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞、98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フェリシティ

127
林真理子デビュー。シビアな話を軽妙かつ滑稽に表現した感じ。中流階級としてのプライドを持つ由美子が、高校中退のダメ長男の行く末に手を焼き、ちゃっかり長女のあまりの計算高さに戸惑う。その上長男は、あろうことか沖縄出身の垢抜けないフリーター女・珠緒と結婚すると言い出し、反対する由美子とバトル勃発!中流階級は自分の社会的地位を最も気にするらしく、そこを上手くついている。スピード感とキャラクター設定の明確さで、とても読ませる作品です。現代の格差社会や学歴社会に対する風刺がきいていてベストセラーになるのも納得でした。2014/05/29

ミカママ

102
いやーおもしろかった!ずっと読みたかった本だったので。由美子の気持ち、わかるわぁ。私も最初は同じように子どもたちを育ててましたからねw すぐに挫折しましたが。子どもは親の思うとおりに育たない、ってことがわかったもんで。それを3歳の時に私に身をもって教えてくれた娘に感謝すらしてます。 林真理子さん自身がコンプレックスをはねかえしてここまで来た人(エリートと言われていた男性との結婚、お嬢さんを有名校に入学させるなど)なので、とても説得力がありました。2013/03/11

nyanco

75
姉弟どちらも間違っていた…というのは解るのだが、翔の恋人として登場し奮起し医師を目指す珠緒ですらも幸せを掴んだとは思えなかった。読んでいてずっと「下流」という言葉が引っかかる。勿論、人生にとって大切なものはお金や学歴や身分じゃない…愛よ!なんて理想論を望んだわけではありませんが、結局、誰も何も見つけれずにうやむやで終わってしまった。格差社会の現実を真正面から描いた…というのならば、翔の内面をもう少し描いて貰いたかった。自分は中の上と思い込んでいる女性の価値観でしか物語が捉えられていなかったのが残念。続→2010/04/04

すこにゃん

63
学校や社会のヒエラルキーを赤裸々に描きます。自身の価値を努力で求めるのは王道でその価値観はいつの世も普遍的だと思いますが、改めて思うのは努力できるのは立派な才能なのだということ。珠緒は偉いけど可奈のような努力もまた認めるべきなんでしょう。所詮この世は不条理、努力しても報われるとは限らないと諦観した長男もいつかは前向きになれるのでしょうか。最後に思ったことは周り道をしてもそれぞれの人生の中で価値があって欲しいという事。それ見た事かと由美子を蔑む気持ちにはなれませんでした。何かそれぞれ共感してしまった。2016/07/19

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

63
子どもたちを立派に育て上げ“中流”意識を保ちたい福原家の母・由美子と、上昇志向を持たない中卒でフリーターの息子・翔とその彼女である“下流”の珠緒、“上流”をめざし打算的に生きる娘・可奈それぞれの生き様を通し、格差社会といわれる現実を描いた物語。それぞれの価値観のぶつかり合いがコミカルで、重いテーマをはらみながらもハラハラと一気に読まされた。ラストの翔には脱力感さえ覚えたが、そんなことも含めて福原家の人たちはある意味リアル。珠緒の存在は救いではあるが、子育てが難しい世の中になってしまったなと感じさせられる。2011/09/29

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