扶桑社新書
決定版 日本人論―日本人だけがもつ「強み」とは何か?

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  • サイズ 新書判/ページ数 275p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784594075040
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0295

出版社内容情報

一国で一つの文明圏を成す唯一の国・日本
日本人なら、決して失ってはいけないものがある。

2020年のオリンピックには、
3000万人の外国人が来日するといわれている
皆さんも外国の人と話す機会が増えることと思う。
彼らから日本の歴史のことや、
「日本人は私たちと何が違うのですか?」
などと問われるかもしれない。
本書はその答えになるものと思っている(「まえがき」より)


まえがき

序章 日本人が決して失ってはいけないもの
敗戦後、アメリカは日本の歴史を抹殺しようとした
日本人がいかに悪かったかを認識させるためだった東京裁判
東京裁判の「ジャッジメンツを受諾する」という重大な意味
アメリカがもっとも恐れた日本の復活
日本は、一国だけで一つの文明圏を成す存在である
移民・難民の受け入れは、アメリカインディアンの立場で考える
グローバル化が進んでも、世界が一つになることはない
日本人だけがもっている「強み」とは何か?

第一章 日本人がもつ「不変」の力
最大の国難とは、
日本人のアイデンティティーが失われてしまうことである
二千年以上続いている組織は、日本の皇室とローマ法王庁だけ
西洋の王様と日本の皇室の根本的な違いとは?.
靖国参拝にケチをつけるとは、日本文明への攻撃である
破壊の極み・応仁の乱が生み出した、日本文化の根源
日本文明の基礎にある?理解し得ないものの力?
日本は、神話が今も生きている
日本人に刷り込まれている独自の宗教観「両部神道」
神話とダーウィンの進化論が共存できる日本人の柔軟性
日本の歴史の「型」 …変化すれども断絶せず.
頼山陽の『日本楽府』にみる、決して隷属しない日本人気質

第二章 対立ではなく融合してゆく日本人の宗教観
一神教の国では考えられない、神道と仏教の絶妙なる融合
歴史にみる人智を超えた「神道」「仏教」のバランスの妙
なぜ藤原氏は皇位につこうとしなかったのか?
日本にあって唐になかった大きな存在「神祇官」 .
日本の文化に巨大な貢献をした「本地垂迹説」という新概念 .
隨・唐の制度・宗教を輸入し日本オリジナルに変換した「大化の改新」 .
キリスト教にみる「煉獄」を作った見事なアイデア
宗教戦争と無縁な日本人を作り上げた「本地垂迹説」
日本には、「民族宗教」が雄大なる「聖地」として残っている
東京の真ん中に明治神宮という広大な森林が作られている意味
七福神にみる日本人の最高傑作な宗教観

第三章 日本人のDNAに潜む「もののふ」の力
武家の?憲法?「御成敗式目」が示したこの国のかたち
現代日本人の高い民度を作り上げた『貞観政要』 .
武士台頭の時代に「婦道」を説いた北条政子の情
現実主義の鎌倉武士の心を捉えた精神鍛錬重視の禅宗.
「元寇」を防いだのは、本当に神風だったのか?
六百年後に認められた北条時宗の功績
神風は鎌倉武士の功績である
天下を動かした楠木正成の真価
楠木正成と諸葛孔明の類似性
「建武の中興」を潰した、論功行賞の不条理
日本人のDNAに潜む「もののふ」の力
.
第四章 信長・秀吉・家康が、現代に残した教訓
信長・秀吉・家康それぞれの教訓
信長に学ぶ…明確に先を見据え弊害を破壊する力
秀吉に学ぶ…周到な人間関係を編む力
家康に学ぶ…徹底したリアリズムの力
武士がだんだん貧しくなっていったその意味するところ
平和になった江戸時代が育んだもの.
武士の、清貧にして気位が高い姿を作り出した思想とは?
江戸時代、ハイレベルであった「儒教」の水準
武士階級から受け継いでいるもの

第五章 一国で一つの文明をもつ国・日本
なぜ、日本は一文明一民族と言えるのか?
日本文明の特異性を示す「大和言葉」「皇室」「神社」「仏教」
いい和歌には漢語が入っていない
ブルームズベリーに衝撃を与えた『源氏物語』
『源氏物語』こそ、日本が一国一文明の国の証である
連綿と受け継ぐ「外来品 」を超えるものを作り上げる日本人の能力
?小平も倣った?日本式?とは何か?
留学は日本の伝統的な学問修得法である.
日本人であるがゆえにもらえなかったノーベル賞があった
ダイナミックな歴史の変化に、巧妙に対応してきた祖先
西ヨーロッパの発達史によく似ている日本のダイナミズム.
文明と文化の大きな違いとは何か?
国の継続は、力ではなく精神的権威こそ重要である理由
日本は、世界の模範となるべきである




渡部 昇一[ワタナベショウイチ]

内容説明

一国で一つの文明圏を成す唯一の国・日本。日本人なら、決して失ってはいけないものがある。

目次

序章 日本人が決して失ってはいけないもの
第1章 日本人がもつ「不変」の力
第2章 対立ではなく融合していく日本人の宗教観
第3章 日本人のDNAに潜む「もののふ」の力
第4章 信長・秀吉・家康が、現代に残した教訓
第5章 一国で一つの文明をもつ国・日本

著者等紹介

渡部昇一[ワタナベショウイチ]
昭和5年山形県生まれ。上智大学大学院修士課程修了。ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学留学。Dr.phil.(1958)、Dr.phil.h.c.(1994)。上智大学教授を経て、上智大学名誉教授。その間、フルブライト教授としてアメリカの4州6大学で講義。専門の英語学のみならず幅広い評論活動を展開する。昭和51年第24回エッセイストクラブ賞受賞。昭和60年第1回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

49
渡部先生の著書は私にとっての精神安定剤。どの本と言うことなしに、時々こうして手に取ることで、日本の歴史や政治、文化に対する正統な見方に思い至らせてくれる。著者は本書で、日本は世界の文明圏の一つと位置づけられ、その強みは皇室であり、伝統宗教としての神道であり、宗教的対立を無化させて誕生した日本仏教、また『源氏物語』を生み出した日本語であるという。そして、その歴史的背景や現代に繋がる要因を、巧みな喩えを織り交ぜながら記していく。価値が錯綜する現代にあって、我々に最終的な判断の基準の在処を示してくれる書である。2022/07/29

やじ

26
「日本人の強みは海の底に広がる岩盤のように確固とし根付いている」「日本人というものがどういう歴史を辿って形成されてきたのかを日本人自身が理解できていない」「日本人の歴史の連続性は、皇室の連続性と関連している」「古代から途切れる事なく続く歴史が、日本人の血となり肉となっていることを忘れてはいけない」神武天皇の遺伝子が受け継がれているのは奇跡。対立ではなく融合していく日本人の宗教観。聖徳太子、藤原氏、清少納言、信長、秀吉、家康、楠木正成、北条政子など、今でも私達の血となり肉となっている。2016/11/03

TheWho

14
先月に自宅時着の古本屋で、まだ読んでいない著者の本著を見つけ購入した1冊。本著は、著者が亡くなって3か月後に刊行された本で、遺作では無く2011年に刊行された著作を加筆修正、改題して刊行された様だ。読んだ様な気がしたが、著者のエッセンスは、著者の著作に散りばめられているので、納得して読了した。久しぶりに著者の作品を読むと日本人の誇りと責務をヒシヒシと感じる。誰かの言葉にあるが、保守とは「豊かな知性と経験を持っている大人である。」との定義に当てはまる著者に祈りを捧げたい。2020/11/29

新父帰る

12
秀逸な書。改めてロス渡部氏の穴は大きい。熟達した人生の晩年に著した本書は、日本人の矜持を遺憾なく読むもの心に焼き付けている。著者は決して日本人が世界で一番優れていると言っている訳ではない。日本人としてのアイデンティティを失わないことの大切さと、そのアイデンティティの中身を分かり易く解説し、それが日本独自の文明を築いてきた土台になっていることを、特に戦後世代に語り掛けてくれる。それは融合という宗教観であり、神話時代から連綿と続いている皇室の伝統と神々を祀る神社の歴史、そして大和言葉の発明が物語っていると。2018/09/03

るい

12
知らなかった日本史が山のように出てきて、自分は本当に戦後教育で育ったのだと強く実感した。歴史には、葬られた真実もある。さまざまな力が働いて、歪められた事実もある。そういったものの存在に気づけただけで、言論の捉え方を変えることができる。幅広い思想を知っておく必要性があると、改めて思った。2017/10/08

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