内容説明
クーザに前に現われた吸血鬼モラサールは、自分に協力すればドイツ軍を皆殺しにしてやると取引をもちかける。ナチスを憎むクーザはモラサールの申し出を受けるが、その背後に隠された恐るべき奸計を知るべくもなかった。同じころ、クーザの娘マグダは、グレンと名乗る謎の男と出会う。城塞の内部を詳しく知るこの男は何者なのか?そして、父親を救出するために、マグダとグレンが城塞へと向かったとき、人智を超えた戦いの幕が切って落とされた。正統派ホラー小説の旗手ウィルスンの代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
52
テーマ的に悪の存在である吸血鬼と当時の悪、ナチズムをうまく絡ませている。上下巻に分かれているわりに、あっさりと読めて意外に少ない登場人物の割に、スケールを感じさせるのは感心。ただ、いろいろ少し違和感を感じつつなぜそう考えるのかと考えてみると自分はホラーはキングばっかり読んでいたのでそれを基準にしていると納得。ちょっと物足りなく感じた。またこれはホラーというよりも、ダークファンタジーかもしれない。ジャンルの定義、モダンホラーの意味など調べるきっかけになった。この作家のファンであれば。2016/10/22
tosca
23
ホラーとしては全然怖くなかったけど、ストーリーは面白かった。上巻のワクワク感に比べて下巻は正体が分かってしまって、なんだかな〜っていう感じもあり、期待したほどの吸血鬼レベルでは無かったけど、まあ飽きずに楽しんで読めた。2022/04/11
Yu。
22
当たらずとも遠からずな当時を知れる暗黒の戦争歴史とゴシックホラーというステージを異にする両者の重みが巧く溶け合った上巻‥からのまさかまさかの展開に驚き一杯胸一杯‥とこれはこれで面白かったのだが、個人的にはヒロイン不在のを愉しみたかったかな。。2016/12/17
miroku
21
ナチスVSバンパイアから一転、ちょっとクトゥルーっぽいが、いかにもUSAなラストへ。2019/01/18
Dai(ダイ)
19
だんだんと大きな話に展開していき、ハラハラ感を堪能できた。城塞の意味や十字架の役割が判明していく様は感動もの。始末屋ジャックシリーズよりも先に読んでおきたかった。2014/01/05