内容説明
「どんな償いでもします」佐々谷夏生は上司である豊口笙に、何度も謝罪した。豊口に強く憧れていた佐々谷は、豊口の妻であり自分の元恋人である杏子との密会を豊口に見つかってしまった。「なんでも、してくれるんだよね?」そう言質を取った豊口は、頷く佐々谷を全裸にさせ、妻であるはずの杏子の目の前で一方的な陵辱を始めた。憧れていた上司に責め苛まれ、やがてそれが自分を陥れるために仕組まれた罠だったと知った佐々谷は、豊口が自分に強い執着を抱いていること、そして自分が豊口を愛していることに気づく。そんな佐々谷の想いは…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
de sang-froid
22
BL。付き合っていた彼女・杏子を、憧れていた企画開発部部長・豊口(右・34歳)に取られてしまった佐々谷(左・26歳)は、魔が射して杏子に手を出ししまい、佐々谷は豊口に脅迫されながら関係を続ける。お互いどうしようもないほど好きあってるのに、相手を信じないカプ。元彼と元彼女も絡んで病み具合と黒さが心地良い。2012/12/09
Yucca
15
★★★☆☆:表紙絵の受けの生意気そうな感じに惹かれて衝動買い。でも、予想とは全く違った共依存系のお話でした。初読み作家さんでしたが、物凄い強烈…‼︎いやーここまでメーター張り切った異常性だと、反感より怖いもの見たさが勝ると言うか…。一気読みできたけど、当分はお腹いっぱいのジャンルです。一番気の毒なのは先輩の奥さんだよねぇ。わけわからんホモカップルの喧嘩に巻き込まれて可哀想だよー。メリバな終わり方でした。BL。2017/05/29
[春]
15
BLにすれ違いものは多々あれど、あくまで解決することを前提に切なさや苦悩を味わうというテンプレを、ここまで勢い良くぶっちぎる荒業は初めて見た・・。すれ違いそのものにかける作者の執念がハンパない。解決させる気がないというか解決なんてしたら台無しだ!という勢いでひたすら病んだ方向へスピーディに突き進む。なんという斜め上。特殊な絡みがあるけど攻めの病みっぷり的にアリだと思えたのと、細かいこと抜きにさせられるパワーに脱帽。この短さも効いて面白かった。2010/06/14
judy
13
萌え★★★★イラスト★★★★全体★★★★:『エゴイスティック』と連読で似たようなお話だったけど、攻視点が加わった事で深化してるし面白さUPしてる。二人とも見事な擦れ違いで、コミュニケーション能力のなさと、勘違いが気の毒なんだけど可笑しい。攻視点を読んでこのとんでもないヤンデレが愛しくなった。荒唐無稽で斜めな暴走ぶりも(現実にいたら関わりたくないがw)受への愛ゆえと思うとワクワクっと!このままグルグルしながらいちゃこらしてればいいなあと思う。特殊プレイも受メインなのでOKだった。表紙の攻が的確でイイかんじ!2011/06/29
わにこ
10
本編ラストでちょっとは想いが通じた?と思わせておいて、短編で地球の裏側まで叩き落すみたいな…。ほんのちょっと何かが違っていたらお互いが望む幸せが得られたと分って読んでいるだけに、永遠に交わらない二人が悲しくて切なくて悶絶するのに、それがたまらない快感という不思議な読後感でした。2010/06/10