内容説明
祖母が殺虫剤を飲んで病院に運ばれた。「いっそ、死んでくれたほうがいい…」と考えた二人の息子と大勢の孫たちは、漠とした殺意とそれぞれの打算を胸に、祖母を火葬場へと運ぶ。意識をとり戻した祖母が目にしたものは―。冷たく醒めた筆致が描きだす、倫理観の欠落した人間たちの群れ。他に、作者の家族史「父のなかの祖父」など中篇2篇を収録。
著者等紹介
方方[ファンファン]
1955年、南京生まれ。四年間の肉体労働を体験し文革後、武漢大学に入学し、在学中から創作活動を開始。卒業後はテレビドラマの脚本執筆などに従事した。80年代半ばから、地方都市・武漢を舞台に、名もなく貧しい下層民の生活を描いた一連の作品を発表。「新写実小説」の代表的な書き手として、高い評価を得ている。現在は、湖北省作家協会主席
渡辺新一[ワタナベシンイチ]
1946年生まれ。中央大学商学部教授。東京都立大学大学院博士課程満期退学。専門は中国現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 独検合格4週間neu5級