内容説明
中国にとって解決すべき真の課題は、すでに胡錦濤自身が指摘しているように、江沢民時代の高高度成長の影として深刻化してきた社会問題である。とくに農村と都市の関係を代表とする貧富の格差、増加の一途をたどる失業問題、荒廃する教育問題など、もはや放置できない情況にある。そこから外資に依存し、貧富の格差が拡大し、特権層が覇をとなえ、汚職が横行し、その結果としてゲリラや暴動や犯罪が日常化している地域が多いいわゆる「ラテン・アメリカ型」の国家に中国もなるのではないかと真剣に憂慮する中国知識人も多い。胡錦濤指導部は今後の権力の葛藤を通じて、中国の前途に対して真の正念場に臨んでいると言えよう。
目次
第1章 北戴河の会議
第2章 江沢民は歌う
第3章 待望の日
第4章 曽慶紅派の実力
第5章 強運の温家宝
第6章 副首相たちの経歴
第7章 軍隊指揮権のゆくえ
第8章 清華大学の人脈
第9章 西部人脈の結束
第10章 胡錦濤の挑戦
著者等紹介
辻康吾[ツジコウゴ]
1934年9月30日生まれ。東京外国語大学中国語科、立教大学法学部公法科卒業。毎日新聞社仙台支局、香港特派員、北京特派員を経て、1985年より東海大学外国語教育センター教授。現在、独協大学外国語学部教授
祁英力[キエイリキ]
ジャーナリスト、作家として香港・中国・日本で活躍する
おうちすえたけ[オウチスエタケ]
千葉大学文学博士。現在、城西国際大学国際文化教育センター研究員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



