内容説明
(とうとう白旗を掲げたか。これでどうにか…)スターリングラードでの独軍の降伏。終戦への道程が、西条には見えた気がした。同じころ南アフリカでは、植民地奪還を声高に叫ぶチャーチル英首相の意を受け、ナミビアへ上陸した南ア遠征軍が、日・南ア航空隊に一掃されていた。一方、北アフリカではジョージ・パットン米中将が、モロッコ内陸部を打通するミストラル作戦を発動した。“砂漠の狐”の異名をとるロンメル独軍総司令官は、米軍の軍事常識を超えた物量作戦に圧倒される。作戦発令前日には、米海軍はジープ空母とはいえ、三〇隻を集め、地中海にいたイタリア海空軍を完膚なきまでに叩いていた。そして―。パットン指揮するアフリカ遠征部隊が、ついに地中海に達する。連合軍による本格的な反抗が、まずヨーロッパから始まった。
著者等紹介
林信吾[ハヤシシンゴ]
ロンドンで「欧州ジャーナル」を創刊、初代編集長
清谷信一[キヨタニシンイチ]
軍事ジャーナリスト。精力的に海外取材をこなす
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