別冊太陽
寺山修司 - 天才か怪物か

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A4変判/ページ数 183p/高さ 29cm
  • 商品コード 9784582922073
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C9491

出版社内容情報

時代の先端に立って活動していた寺山修司。寺山修司とはいったい「何者だったのか」、そして「何を考えていたのか」を読み解く。諸資料を数多掲載、その軌跡を辿る決定版。没後30年記念企画。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

96
「母の創作」野島直子、「起重機に吊らるるものが遠く見ゆ青春不在なりしわが母」。「書割の原風景」佐々木英明「電線はみなわが胸をつらぬきて冬田へゆけり祈りのあとを」。「少年ジャーナリスト始動」久慈きみ代「おのが名の活字となるがいとしくて今日も又書く歌好きの友」。「待機の時代」高取英,短歌研究大に会作品五十首募集の特選。「われに5月を」。「寺山と塚本」穂村弘「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」2013/09/06

kinkin

83
彼の朴訥とした話し方が懐かしい。前にも寺山修司について書いたことがある記憶が残っているのだけど、彼がもし今のSNSをどのように感じてどのように使うのか、もしかすると使わないのか、気になる。劇、短歌、俳句に詩。映画や小説、いろんなイラストレーターや作家との仕事。この本にはおおまかにザクッと紹介されているが、とてもとても・・・・・劇を観に行く予定の日にどうしても行けなくなってしまったことがいつも思い出す悲しかった。図書館本2024/03/05

ぐうぐう

35
2013年に刊行された『別冊太陽』の寺山修司特集。寺山が亡くなって、来年で四十年とは。改めて享年47歳は、あまりに早過ぎる。若かりし頃、ネフローゼで長期入院を余儀なくされた時に作った自作アルバムを見てもわかるように、寺山はコラージュが好きであり、それが創作にも活かされたため剽窃問題等も起きるが、「(略)あれこれ合成して一篇にしても、運が良ければ高価な作品になるのだと思っている」と罪悪感のかけらもないところが面白い。(つづく)2022/06/02

安南

29
没後30周年、別冊太陽ならでは写真資料が豊富で楽しめる。充実の内容だがファンには特に目新しいところは少ないだろう。全体像をつかむにはよいのか。高取英氏の寄稿『「死」と生きた』19歳でのネフローゼ発症から死と対峙して生きた晩年。もう一度、病という側面から寺山を読み解いてみたいと思った。こちらに紹介されている、以前観たことがあった谷川俊太郎とのビデオ往復書簡。死期近くに交わされた痛々しい映像にも関わらず、やはりそれも寺山修司節の作品になっていて…切ない。他、竹宮惠子の漫画は初めて見たかも。ちょっとホロリ。2013/08/22

朝日堂

20
これまでの寺山本とは一線を画した書物。それはこれまでの「見世物的書物」に堕することなく「研究材料としての書籍」へと昇華した点にある。映画「田園に死す」のタイトルを、塚本邦雄に選んで決めてもらう手紙や、世良啓による「父という謎」あるいは野島直子による「母の創作」など、見えにくい彼のバックグラウンドを暴くという点で新しい書物となった。彼は父や母を虚構化し再構築することで物語を編んでいたが、ここにきて父や祖父の思想、そして父の喪失が彼の大きなテーマとなっていることが示される。捉えどころのない人間に近づける良書。2013/07/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6596907
  • ご注意事項