平凡社新書
学問の春―“知と遊び”の10講義

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  • サイズ 新書判/ページ数 301p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582854794
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0239

内容説明

人々とその暮らしを、そして万巻の書物を、世界中を駆け巡りながら見つめ、繙き、考え続けてきた著者が、新たに学問の扉を叩く若者たちに、『ホモ・ルーデンス』を読みながら学ぶことの愉しみを語った―。どんな話が飛び出すか、山口先生の名講義、さあ、始まります。

目次

第1講 「ホモ・ルーデンス」に出会う旅
第2講 まなびあそび
第3講 比較文化の芽―交換とコミュニケーション
第4講 雑学とイリュージョン―ホイジンガの学問的青年期
第5講 トーテムから原始的二元論へ
第6講 季節の祭―二つに分かれて競う
第7講 文化は危機に直面する技術
第8講 ポトラッチ1―二つに分かれて、繋がる世界
第9講 ポトラッチ2―破壊と名誉
第10講 クラ―神話的航海

著者等紹介

山口昌男[ヤマグチマサオ]
1931年北海道生まれ。文化人類学者。元札幌大学学長、東京外国語大学名誉教授。道化・トリックスターの分析や「中心と周縁」理論などを通じて、学問のみならず、文学や演劇、美術などさまざまな領域に刺激を与え続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

10
ホイジンガのホモ・ルーデンスをテキストに、文化人類学や現代思想、記号論を横断しながら文化の背後にあるもう一つの世界に聴講者を誘う名講義。遊びや雑種性の素晴らしさを語りながら、本書自体が優れて学問による遊戯の実践になっている。交換、贈与、コミュニケーションや儀礼の背後にある神話的世界、それへの入門に好適な本2012/03/22

Hatann

8
著者は文化人類学者として著名だが、晩年の本講義において今は比較文化学者であると語る。冒頭より、文化を比較する心が常に必要であり、日本とヨーロッパ、プラス世界の他の国に関心を持った方がいいと述べる。この1頁だけでも買った価値がある(当方は同じ動機で中国に浸っている)。ホモ・ルーデンスを読むという形式をとりつつ様々なネタを放り込んでいくが、特定の学問の内容・理論を高みから体系的に解説するのではなく、いままさに問うべき未知のテーマに肉薄する学びのスタイルを教授する。知的好奇心を活性化させる元気のでる良書だ。2018/11/16

太鼓

8
これは実際に講義を受けてみたかったですね。大学時代に面白い講義ってそんなになかったよ。年にひとつかふたつくらいだった。2016/01/30

gecko

7
文化人類学者の山口昌男先生による「比較文化学講義」(1997年に札幌大学文化学部で行われた講義の記録)。ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』を読みながら、インドネシアのブル島でのフィールドワーク(1974年)やナイジェリアの大学での講師時代(1966年ごろ)の出来事など、豊富な経験と知識を語る。本筋から外れた脱線の数々こそが面白く、貴重であるようにも思われた。飛行機で5時間以内で行ける国の言語を1つやること。複雑で混沌とした「雑なるもの」をごった煮的に学ぶこと。「文化は危機に直面する技術(=創造的な仕掛け)」。2020/10/27

こにいせ

7
いやあ、面白かった。オランダの文化史家、ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』をテキストにして、南洋、ヨーロッパ、日本を舞台に比較文化を語り尽くす講義録。山口昌男の語り口が浮かび上がってくるようだ。人文系の大学生は例外なく全員読むべし。山口は文化人類学、という分野について述べているだけではない。広い意味で、「学問」が持つ力、研究の楽しさ、醍醐味を私たちに伝えようとしているのだ。各章の末に講義メモが付録されているのもポイント高し。間違いなしの良書。2010/04/28

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