• ポイントキャンペーン

桂東雑記〈3〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582832631
  • NDC分類 821.2
  • Cコード C0023

内容説明

恩師小泉苳三氏について綴った文章、70年連れ添った夫人の臨終に際し記された歌日記のほか、わが国の文教政策に異議を唱え、漢字の復権と東洋の回復を切望する論考を収録。

目次

わが国の漢字―漢字と国字
西周期の金文について
短歌の原質
苳三先生遺事
小泉先生の不適格審査について
文字を奪われた日本人
人名漢字表の追加について
饗礼原始
気の原義
漢字の復権で東洋の回復を
漢字教育について
輝かしい東洋の回復のために
卯月抄
南朝四百八十寺
案山子
名刺
谷声の子
颱風の颱の字

著者等紹介

白川静[シラカワシズカ]
1910年、福井県福井市に洋服商の次男として生まれる。小学校卒業後、大阪の法律事務所に住み込みで働きながら夜学へ通う。35年、立命館中学教諭となる。43年、立命館大学法文学部漢文学科卒業、同大学予科の教授となり、54年、同大学文学部教授。55年、『甲骨金文学論叢』初集を謄写版印刷で発表、以後十集に及ぶ。これより先、阪神間の中国古典愛好者らでつくる「樸社」で講義を始め、講義録は後に『金文通釈』(五十六輯)、『説文新義』(全十五巻、別巻一)として結実。60年、『稿本詩経研究』(三冊)を同じく謄写版で発表。70年、初の一般書『漢字』を刊行。以後、『詩経』『金文の世界』『孔子伝』などを次々と書き下ろす。81年、立命館大学名誉教授。84年『字統』を刊行、毎日出版文化賞特別賞受賞。87年『字訓』、96年『字通』を刊行。91年菊池寛賞、96年度朝日賞受賞。98年文化功労者として顕彰され、99年勲二等を受く。4年11月、文化勲章受章
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りー

12
この巻にも白川さんの遺された様々な言葉や文章が収録されています。最も心を打たれたのは、長年連れ添った奥さまを亡くされた時の歌「我が眼守(まも)る 計器の針の 揺れ乱れ やがてま白き 書面となりぬ」「嚴(いか)つかりし 手のやさしさよ 指細り 細りたる手を 靜かに握る」「立ち去らば 千代に別るる 心地して この室中を 出でがてにすも」卯月抄、として詠まれた一連の和歌は発表するつもりなく書かれたものだそうです。泣けてきます。また、戦中に従軍歌人として前線に赴いた歌人がいたこともこの本で初めて知りました。2020/04/04

roughfractus02

10
古典は、古いものは新しいものよりもより長生きすることを教える。古典は長期にわたる試行錯誤によって獲得され、集積され、記憶された知恵だからだ。漢字の画に無文字時代の人々の知恵の存続を見出した著者は、師となる歌人小泉苳三と出会って創作を深め、長年連れ添った妻の死に際して詠む短歌にも、多数の有名無名の人々が存続させた知恵の集積を見、自己はこれらの集積から成ると捉える。漢字は他国からの借り物ではなく、長い年月を経てこの国独自の知恵を作ったのだ。この字によって国を超えて織りなす知恵の網の目を、著者は「東洋」と呼ぶ。2020/12/29

hachiro86

2
漢字を通じて知る東洋の一体性。2009/07/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/206030
  • ご注意事項

最近チェックした商品