出版社内容情報
前近代中国の成文法を代表する『大清律』のうち、刑罰を定めた「刑律」を全文訳し、解説を加え、伝統中国の法的思考に迫る。全2巻。前近代中国の成文法を代表する法典『大清律』のうち、刑罰を定めた「刑律」を全文訳し、解説を加えた書。社会のあるべき秩序が裏返しの形で反映される刑罰とは?(全2巻)
谷井 俊仁[タニイ トシヒト]
著・文・その他
谷井 陽子[タニイ ヨウコ]
著・文・その他
内容説明
前近代中国の成文法を代表する法典『大清律』のうち刑罰を定めた「刑律」を全文訳し、当時の最も優れた注釈書に基づいて解説を加えた書。中国の伝統的な法的思考がよくわかる!(全2巻)
目次
賊盗篇(謀反大逆(国家・君主への反逆)
謀叛(外国への離反) ほか)
人命篇(謀殺人;謀殺制使及本管長官(勅使または所管の長官の謀殺) ほか)
闘殴篇(闘殴(暴力行為)
保辜限期(傷害の保障期間) ほか)
罵詈篇(罵人(暴言)
罵制使及本管長官(勅使または所管の長官に対する暴言) ほか)
訴訟篇(越訴;投匿名文書告人罪(匿名の文書による訴え) ほか)
著者等紹介
谷井俊仁[タニイトシヒト]
1960年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程中退。元三重大学教授。専攻、中国近世史。2007年歿
谷井陽子[タニイヨウコ]
1962年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程中退。現在、天理大学教授。専攻、中国近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nagoyan
8
優。しんどかった。「解説」、「清律の基礎知識」あたりまでは順調に読み進めることができた。続く、本編はひたすら我慢。文章は分かりやすいいい日本語。律そのものが、難解というより煩瑣。細かい。もっとも、読めば読むほど、行き届いている点に驚愕する。これと「御定書百箇条」の世界とは雲泥の差。そして細かい点にまで、儒教イデオロギーが貫徹されている。が、他方で意外と寛大でもある。名目上死刑とか。精緻な律。これで、中国専制政治を「人治」と呼ぶべきか疑問も残る。律による統治が貫徹されていなかった現実があったのだろうか。2019/08/04