内容説明
私がどんなに心を尽くしても愛を注いでも、人間の愛が人間の深い悲しみを根本から救うことはできないということを、私は幾度となく教えられた。それでも懲りずにいつでも恋をしていたしその都度命がけであった。その私が、ある日突然に出家を思い立ったのは…。移りゆく心の様を綴る珠玉のエッセイ集。
目次
大和の塔(大和の塔;柳生街道の石仏 ほか)
中尊寺へ(中尊寺へ;念願成就)
比叡万緑(荒行の比叡をおりて;比叡万緑 ほか)
嵯峨野の日々(送り火のあと;火の祈り ほか)
はるかなり巡礼の道
著者等紹介
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年、徳島市生まれ。東京女子大学卒業。1957年、「女子大生・曲愛玲」で第3回新潮社同人雑誌賞受賞。61年、『田村俊子』(文藝春秋)で第1回田村俊子賞受賞。73年、中尊寺にて得度。87年、岩手県浄法寺町の八葉山天台寺の第73世住職として晋山(2005年まで)。97年、文化功労者。2006年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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