平凡社ライブラリー<br> 新編 綴方教室

平凡社ライブラリー
新編 綴方教室

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  • サイズ 文庫判/ページ数 266p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582760217
  • NDC分類 816
  • Cコード C0381

内容説明

「私が夫だ」と「私は夫だ」とは、どうちがうか?ことばを語りつつ人生の機微を解き明かす、軽妙にして深遠、摩訶不思議な文章読本。

目次

彼は美しい女性を抱きしめた―品詞の紹介
私が夫だ―主語の研究
白人ウソツク、白人悪イ―述語をめぐって
娘の婿の忰の嫁―これからの敬語
白のタフタがクラシックで印象的―外来語の功罪
きわめて明快で流麗、この上なく巧みにして…―修飾語の偉大と悲惨
一家三人血みどろ!―感嘆文の効用と限界
いうまでもなく、うそは悪である…―最初の一行
終わりよければ…―最後の一行
コレがアレだ―指示語の使い方
明日雨が降ったら―条件文の条件
イヤダカラ、イヤダ―因果関係の語法〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どらがあんこ

10
遠い昔、国語の授業で文法を扱ったとき、私は例外というものが嫌いであった。文節、単語とスパスパ切ったつもりでも噛み砕けない異物として残るものがあった。本書ではそんな例外を形態による区別の文脈で述べるのではなく、日常の文脈に投入することでその差異の振れ幅を楽しんでいる。そうなるとそもそものコードすら疑わしくなってくるのだ。2019/04/11

左脳

0
文章読本の体裁はとっているし、内容も文章術の考察としてかなり面白いのだけれど、それを超えて日本人の心の特性を描き出す芸が冴える。「超えて」というのはおかしいかもしれない。ことばとこころはかなりの部分が不可分だ。両者をひとつの文脈に乗せる技、と訂正しよう。2010/06/07

ジュンケイ

0
タイトルは「綴方」とあるが、名文を書くための文章読本ではなく、ごく日常的に使っている言葉の違いを解説している。時にはそれは感覚的な違いかもしれない。文脈から判断することも多いのは、言語の常なんだろうが、助詞の違いで意味(ニュアンス)が違ってくる。あまり意識していなかった言葉もよくよく考えてみるとおもしろい。日常的に使っている言葉もよくわからないのに、AIがわかるはずないと思う。文脈からの判断はAIにできても、この場合の空気からさっして判断することはできないだろうと思う。2020/03/26

kinta

0
「文法」は好きだった覚えがある…が、本当に理解していたか否かは読んでいくうちに曖昧模糊の中に埋もれていく。でもそんなことを気にせずに文章という美味しいお菓子を文法という側面から切り込んでいったら…というエッセイ。名文が多数到来。また隣の男女の睦言や、喫茶店での上司の悪口からも切り込む。息子の教科書を借りて、重要赤線の部分に「アサハカ」と笑う父親の面も垣間見れ、二重三重に得した気分にもなりえる。ともかく大前提として、このアプリを利用しようとする人種は「文法」を体で体感している人間であるということよ(笑)2020/02/21

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