出版社内容情報
質流れの品を売る行商の帰途、質屋・八前屋の歌八は辻斬りに斬られそうになる。一方、ものすごく汚い物乞いのような男が持ってきた質草は、割れた断面に美しい女の顔が浮き上がっている奇妙な岩だった。辻斬りと男、一見何の関係もないように思えたのだが。書き下ろし長編時代小説。
内容説明
仁三郎が女番頭のお紋と手代の歌八とともに営む、神田小柳町の質店「八前屋」に、全身から異臭を放つ汚い身形の男がやってきた。男は、流れ星の欠片だという、美しい女の顔の模様が浮かぶ石を質草にして、三両を借りていった。いっぽう、巷では烏賊頭巾を被った辻斬りが出没し、質屋組合の仲間・久米蔵までがその凶刃に倒れてしまう。人気のシリーズ第三弾。
著者等紹介
沖田正午[オキダショウゴ]
1949年、埼玉県生まれ。埼玉県立与野高校卒業。2006年『丁半小僧武吉伝賽の目返し』(幻冬舎文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ならのみやこ
3
お隣りさんがすっかり空気と化しているシリーズ第3弾。 内容を一言で表現するとすれば、ホームレスのシンデレラストーリー。 切れトンボだったのが少し残念だけれど、それでも二転三転する展開に始終ドキドキしながら読むことができた。読後には面白かったと感じられる一冊。 続編が出たらまた買ってしまうだろうな‥‥ 2012/03/05
まりりんりん
3
仁三郎とお紋、歌八の三人はなかなかに良いトリオになってきましたね。 今回は、流れ星のかけらを質草に三両借りていったお菰さんと辻斬りと何が狙いだかよくわからない男装の麗人が出てきて、振り回される。 途中で、男装の麗人の目的はおぼろげながらわかったけれど、それで面白さにかげりが出るわけではなく。 無事に解決した、と思った最後にどんでん返しが待っていたりして・・・。だけどちゃんと収まるところに収まったし、まあいいのかな。 読み終わったあとに、ほっとして心がふんわりする感じがとても良い感じ。2011/12/29