内容説明
海路三十余日、速吸瀬戸を過ぎり、豊後関前を目指す御用船正徳丸。舳先に立った坂崎磐音とおこんは断崖に聳える白鶴城を望んでいた。湊では父正睦、母照埜らが出迎えてくれたが、秋茜飛び交う国許では、よからぬ事が出来し…。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、著者渾身の書き下ろし痛快長編時代小説第二十一弾。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』以後、スペインをテーマにした作品を発表。99年、初の時代小説『密命』を皮切りに次々と作品を刊行、時代小説の旗手として高い評価を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
45
豊後関前に着いた磐音とおこん。父・母・妹に義弟の迎えに胸が熱くなったのに・・それ以後も今津屋の店主やお佐さんの心尽しの品に、両親が私に与えてくれた支度を思い出しホロリ。この地、またもや私利私欲に毒された輩が暴利を得ようと画策、以前の再来を早めに対処できて良かった。がどこまで強くなる?磐音さん。「この地より 天が住処ぞ 永遠の春」と詠んだご家老、流石磐音さんの父御じゃ!2022/03/11
ガクガク
43
おこんを伴って墓参と挨拶に戻った関前藩で、またしても藩再建の足を引っ張るワルどもの陰謀に巻き込まれる磐音。巻頭には関前藩の城下地図もついて楽しく読める。武者修行でついて来た辰平が見違えるように成長を見せたり、ささやかだが心のこもった二人の仮祝言が行われたりと、陰謀撲滅の話を中心に磐音の関前編は無事に幕を閉じる。萩の花や秋茜、鯖雲などちょうど今の季節と重なって情景がより鮮やかに見えるようだった。2013/09/19
あっくん
41
シリーズ第21巻。豊後関前藩に無事に到着。またしても藩で揉め事。無事に解決し仮祝言をあげる。2017/10/17
よむよむ
38
おこんさんとお義母さまの初対面が印象的。さすが磐音さまの母御だわ~ 国元でも大活躍の磐音さま。事件が彼をほっとかないって感じ。2013/09/07
くまクマ
34
21/51冊目。晴れの結婚報告のはずが、船上、豊後関前でも待ち失せる悪の企みにハラハラドキドキでした。それにしても、江戸で待つ由蔵に溢れんばかりの嬉し涙にこちらも貰い泣きです。頑張れ磐音!2019/02/28