内容説明
八月の暑い盛り、蛇目孫四郎は神田明神境内の水茶屋にいた。眼前で町人の背中を切りつけた浪人の両手首を、思わず抜き打ちで薙いで斬り落とした孫四郎だったが、町人は「イタバシテンジュ」と呟いて事切れる。雇主の中野石翁の命を受け「イタバシ」は板橋宿、「テンジュ」は天珠寺ではないかと推測した孫四郎は、事件の真相を追い始める。超人気シリーズ、待望の初文庫化。
著者等紹介
峰隆一郎[ミネリュウイチロウ]
1931年長崎県生まれ。日本大学理工学部、芸術学部中退後、編集者、週刊誌記者を経て作家活動に入る。1979年『流れ潅頂』で問題小説新人賞を受賞。以後、時代小説、推理小説で斬新な作品を意欲的に発表している
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