内容説明
警視庁内には、捜査課が表立って動けない事件を処理する特殊チームが存在した。そのリーダーである環敬吾は、部下の原田柾一郎、武藤隆、倉持真栄に、一見無関係と見える複数の殺人事件の繋がりを探すよう命じる。だが倉持は、その依頼を断った。一方看護婦の和子は、事故に見せかけて若者の命を次々に奪っていた。息子の命を救うために。罪はなぜ正当に裁かれないのか。自らの手で悪を裁くのは許されない行為なのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまんちゅ
22
三部作のラストですが、とても重い内容でした。少年法などによって犯した罪に比べてあまりに軽い処分で自由を得る加害者たち。彼らに対する復讐は是か非か。このような社会派の問題を中心に据えながらも、読者を驚かせるような仕掛けもあり引き込まれました。2017/04/21
ちゃさち
22
息子のために殺人をする看護婦、加害者を死にいたしめる男女。この二つは何も繋がりがないと思っていたが、まさかの結末。加害者を殺すのは正義だと思っていた女は結局最後に無残に死ぬ。最後、男がどうなったのか知りたかった。2016/11/12
くまんちゅ
10
再読。とにかく重い。そんな読後感でした。犯罪にあった被害者やその家族の痛みに、読んでいる間も終始、重い空気に覆われているようでした。日本語としておかしいかもしれませんが「正しい正義」とは何だろうと思わされました。2020/06/26
みかりん
8
未成年や精神異常の人に 大切な家族や恋人を殺された人達が集まる少年法改正を訴える会。 殺人を起こした少年達が次々と死んでいく。会員の中に犯人はいるのか。私は 絶対に殺人はいけないと思いますが 罪を償うことも 反省をする事も無い この場合は考えさせられる。どこに救いを求めていいのか。殺人を犯すのも犯さないも 救いが無い話だとわかっていても 読むのがやめられない。殺人に手を染めたら まともな死に方をしない。その覚悟の上の結末。2020/02/24
積読本消化中
8
テーマも本自体も重い。2013/03/02