内容説明
「文学というのは、しばしば、社会科学よりもしっかりと同時代をつかまえる力をもっている。…文学は、自由な想像力を駆使して、時代と社会を生き生きとえがきだしてくれる」と筆者はいう。筒井康隆、松本清張、山本周五郎、小松左京、森村誠一、横溝正史、江戸川乱歩、司馬遼太郎、―現代日本を代表する作家たちの作品を手がかりに、小説の世界を楽しみながら社会学の基礎と日本社会の実態をやさしく解きあかす。
目次
第1章 家族―筒井康隆『家族八景』から
第2章 組織―松本清張『中央流沙』から
第3章 職業―山本周五郎『さぶ』から
第4章 階級―小松左京『日本アパッチ族』から
第5章 都市―森村誠一『新幹線殺人事件』から
第6章 農村―横溝正史『八つ墓村』から
第7章 自我―『江戸川乱歩傑作選』から
第8章 文化接触―司馬遼太郎『故郷忘じがたく候』から