クレンペラーとの対話 (新装復刊)

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  • サイズ B6判/ページ数 243,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560083673
  • Cコード C0073

出版社内容情報

音楽史に偉大な足跡を残した巨匠が、政治的圧力、周囲の無理解をはねのけ、数多の苦難より再起した人生、音楽観、名演を回想。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

144
音楽界の巨匠が自身の生涯、音楽観、その他諸々を語った回想録的対話集。その剛直で直情怪行な性格は、反ユダヤ主義や第二次大戦以上に彼を苦難の道へ歩ませる要因になっていたようだ。病気や怪我、政治圧力やマネージメントとの衝突など、あらゆる障壁をはねのける不屈にして強靭な意志力は仕事に対する並ならぬ自負心が伺える。加齢で丸くなってきた印象はあるが、音楽家との交流エピソードや指揮者批評で一々皮肉やユーモアを交えたり、人間性と芸術性は完全に分けて率直に評価する点も彼らしいところ。「自分のやり方はそれぞれ自分でみつけよ」2021/02/22

蘭奢待

41
クレンペラーはその演奏も好きだが、いろいろな逸話が面白い。この著作はクレンペラー晩年の対談集。幼少時から戦後まで。飄々としている印象だが、常に辛酸を舐めてきたことを知る。古典派、ロマン派が中心かと思っていたが、現代的な音楽にも積極的だった。残念ながら期待した逸話はほとんどなかった。もっとも逸話とは本人が語るものではないだろうが。2020/04/03

chanvesa

25
人間観察の冷静さは鋭い。セルのことを有能な指揮者としながらも「氷のように冷徹」という表現は的を得ている。ブーレーズを有能だが、忙しすぎるというのもそうだ。同時代の周囲の人々がナチスに対してどのような態度であったかを必ず触れていることも、やはりクレンペラーの辛酸をなめた経験が気にさせるのであろう。ジンメルの、スピノザの『エチカ』を読むのは「ただ命題だけを読み、証明は読まないように。…命題を注意深くよめば、何を知る必要があるかわかるよ。」(98頁)というクレンペラーへの言葉が、高い知性同士のものとわかる。2016/04/23

おとん707

7
20世紀を代表するユダヤ系名指揮者クレンペラーが第1次世界大戦を経てユダヤ人排斥の中で欧州での演奏活動の場を失い米国に移住し、第2次大戦後にようやく欧州に復帰して確固たる地位を築くまでを面談形式で纏めた最晩年の回想記録。晩年のマーラーとの貴重な音楽体験や同時代の作曲家や指揮者への率直な評価や、時には苦言が語られている。その一言一言にバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンから続く音楽のDNAが宿っているように思えて非常に重い。数々の名録音を長年愛聴してきたが、本書を読んで改めて注意深く聴き直したくなった。2021/12/24

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