出版社内容情報
「三里四方の旬の野菜」の鮮度がいのちの京野菜は、近郊農家の主婦の振売りによって毎朝町場へ届けられ、その交流を通じて京料理は磨き上げられた。雅びと素朴の京の味。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちも
13
野菜作りを始めたので、土地にあった種子を蒔いて。土地の料理を作ってみたいということで読みました。坊主が3万人住まう町だけあって、野菜料理の加工とバリエーションが豊かで面白い。タンパク源である大豆料理が多い。私が育った新潟編の聞き書は、素材そのままといった料理が多かった気がするし稲作中心であった。そして、古くからの都市で雪が深く積もらない土地柄だけあって、狭い農地を輪作して1年で様々なものを生産する。季節をやたら強調したがる、繊細ぶる京都の料理。だけど、言うだけのことはあるような気もする。2022/07/27
noko
7
京都の食事についてかなり詳しく説明している本です。この本のような食事をしているご家庭はもうないだろうが、昔の伝統を知れる。取材協力者の年齢が超高齢。京都の普段の食事は始末が素晴らしい。言い換えると質素倹約。特に家業をしていれば、時間がないので、おかずを作る暇もなく簡単に済ませている。しかし節目や行事にはご馳走を作る。様々なお料理が載っているけれど、レシピ化されておらず、大体の作り方が載っている。京都近郊と丹波エリアでは、とれるものが違うので、食べているものも違う。京都は日本料理のベースがあり、奥深い。2023/03/27
アメヲトコ
7
85年刊。京都府内を六つの地域に大別して、大正末期から昭和初期の食生活を再現したもの。当時はまだ明治30年代~40年代生まれの方が各所でお元気だったのですね。貴重な記録です。まだ昭和初期は京都近郊でも混ぜ飯が主体だったようですが、丹波山間部ではすでに白ご飯が日常化していたというのは意外。丹後海岸部では当時外米を購入していたとのことで、ここで書かれる食のありようがどこまで遡れるのかという疑問も。2017/06/21
さけフレーク
2
2003/6