出版社内容情報
新型コロナのパンデミックが急速に拡大するさなか、この未曾有の事態をめぐって19人が寄稿。ウイルス学や感染症学をはじめ、医療人類学、文化人類学などの研究者、海外の辺境の地を取材するジャーナリストや探検家、医師や食生活研究家、そして農家……。各分野で活躍する19人が多角的・複眼的な視点から、新型コロナとそれがもたらした社会現象について論じる。この感染症とその影響が急速に広がる原因となった社会や経済システムの脆弱性にも目を向け、そこに新型コロナ禍という大きな災厄を希望に変える手がかりを見いだす。
目次
巻頭言 恐怖の報酬―「気持ち悪さ」の向こうに見えるもの
1 ウイルスと人間の関係からみる(ウイルスとは何かを知れば、向き合い方が見えてくる;過去のパンデミックに学ぶウイルスとの共生;新しいウイルスとどうつきあうか―「コロナ騒動」から学ぶべきこと)
2 日本の対応について考えてみる(日本社会の失敗の構造―「未来の失敗への想像力」が欠落している;「パンデミック」はこれから始まる地獄の序章である―大恐慌と世界食糧危機に備えよ;弱者からの悲痛な声に耳を傾けよ;不要不急とは何か)
3 日常の食生活と教育からみる(予測不能なリスク社会に必要なのは「食べるスキル」では?;まずは免疫力を高めることから―食事と咬み合わせの改善;コロナ禍を「学校の閉塞感」をやぶるきっかけに 学校と地域の融合教育研究会;コラム 新型コロナ禍のなかで農高生は;丹精して育ててきた豚たちを見送って;イチジクのウイルス病対策のために、最先端のPCR検査を学んだ生徒たち)
4 歴史と世界に視点を広げてみる(生命と人類の歴史から「目に見えない天敵」の意味を考える;「イラク水滸伝」からみたコロナ禍;ドイツにみる民主主義と政治の責任―メルケル首相の言葉と行動が示したこと;コロナ禍の向こうに見えるフランス社会変化の兆し;「病気はまだ、継続中です」―分割/連帯を生み出すために)
5 パンデミック後の社会に希望をみる(新型コロナ禍は行き過ぎたグローバル資本主義への警告;逆転した産業ピラミッドを正し、第1次産業を基本とした自然共生社会へ―グローバルから「グローカル」への構造変革;新型コロナでわかった田舎暮らしと小農の強さ確かさ)
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