出版社内容情報
移りゆく世相を枕に自在な筆捌きで歴史上の人物のタテマエを考察した日経連載を一気読み!今も昔も変わらぬ日本人の本音が見えてくる
内容説明
今こそ「学問としての日本史」と「エンタメとしての日本史」を繋ぐ努力が必要なのだ―最新の研究に時事的なトピックを絡め、「地位」より「人、血統」を重んじてきたこの国で、歴史に名を残す人たちが時代といかに切り結んだかを自在に、大胆に考察。日本史のダイナミズムを堪能できる珠玉のコラム集。
目次
第1章 最後の将軍はなぜ生き永らえたのか
第2章 秀吉の天下統一まで「日本人」という意識はなかった
第3章 武家の力と、男と女
第4章 近代の入口で
第5章 本当のところを知りたい
第6章 「タテマエ」の「ホンネ」に注目してみると
著者等紹介
本郷和人[ホンゴウカズト]
東京大学史料編纂所教授。1960年東京都生まれ。東京大学・同大学院で石井進氏、五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ。専門は中世政治史、古文書学。東大史料編纂所では『大日本史料 第五編』の編纂を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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さきん
23
日本人という概念は江戸時代からと著者は説くが一部、武士や日蓮など宗教指導者、公家、商人などは鎌倉時代には概念を確立していたと思った。令和の令は親王や皇后に使う字だそうで、今回あえて採用したのは、天皇と国民との近しさを強調する意味もあるのかなと思った。大正時代の正は一を止めるということであまり良くないというのも初めて知った。廃仏毀釈が大体的に起こったのは、江戸末期に至り、宗教な位置づけから、政治や冠婚葬祭の機関に変容していたから起きたのではと思った。2021/06/26
えぬ氏もわるよのぉ
9
室町幕府の将軍足利義教はくじ引きで選ばれたが、そのくじは八百長だったのではという指摘は目からウロコ。神意であるくじに細工してもいいのかという問題も、昔の人だってむやみに信心深いだけではなかったという説明に、これまたなるほどと思った。2022/09/02
だ~しな
2
中世の歴史学者である本郷和人氏が一テーマに対して、歴史学者はどう考えているか、それに対して本郷氏はどうみているかが書かれている。(もとは新聞のコラム欄らしい) 歴史史料はただ書かれていることを鵜呑みにせず、書いた立場の者たちが何を正当化したかったか、何を隠蔽したかったかなど裏を読むことが重要だと筆者は説いている。 そうしたモットーの上で歴史上の定説や有名な人物たちがなぜそのような状況に置かれたのか、筆者独特の視線で解説している。 一テーマごとが短いので、非常に読みやすい。
ユウキ
0
令和という元号は、多くの国民にとって好意的なので、民主主義的には喜んで受け入れたほうが良い。 しかし、著者によれば、字義的に指摘するべき点もあるという。 日経の連載をまとめて刊行された書籍です。2021/02/07
かずさん
0
今まで知っていた歴史と違った見方もあり、とても面白く読めた。2021/02/13