あなたが裁く!「罪と罰」から「1Q84」まで―名作で学ぶ裁判

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532167653
  • NDC分類 902.3
  • Cコード C0036

内容説明

死刑台のエレベーター=ジュリアン、異邦人=ムルソー、模倣犯=ピース、悪人=清水祐一、1Q84=青豆・・・本当に裁判にかけたら、死刑か無罪か、懲役何年が相当か?前裁判官がリアルに指南。

目次

1章 殺意にかられる「魔の瞬間」(ロバート・ワイズ「ウエスト・サイド物語」―殺人事件の標準は衝動的殺人;ジョージ・スティーヴンス「陽のあたる場所」―湖上のボート転覆殺人は無罪か死刑か ほか)
2章 「計画犯罪」の死角(ドストエフスキー「罪と罰」―ラスコーリニコフは、本当は死刑!?;ルネ・クレマン「太陽がいっぱい」―華麗なるアラン・ドロンの死体なき殺人事件 ほか)
3章 犯人と被害者の「さまざまなる情状」(アンジェイ・ワイダ「灰とダイヤモンド」―テロリスト、暗殺者も死刑にはならず;レマルク『凱旋門』―恋人の復讐のための殺人、その是非は ほか)
4章 裁く者にとっての「法廷の掟」(ジェームス・ケイン「郵便配達は二度ベルを鳴らす」―交通事故偽装殺人と裁く者を惑わす魔力;J・M・ディラード「逃亡者」―逃げるリチャード・キンブルをどう裁く? ほか)
5章 現代ミステリーが描く「闇と光」の虚実(東野圭吾「容疑者Xの献身」―同情すべき殺人の刑罰はどこまで下がるか;宮部みゆき「模倣犯」―中居正広演じるピースの猟奇殺人は無罪かも? ほか)

著者等紹介

森炎[モリホノオ]
1959年生まれ。東京大学法学部卒。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を経て、現在、弁護士(東京弁護士会所属)。裁判官時代には、官民交流で、最高裁から民間企業に派遣され、1年間、三井住友海上火災保険(株)に出向勤務した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リップ

18
著名な文学作品や映画の物語の中で行われる犯罪を法的な視点から見てみる本。素人のための刑事裁判の導入本というか、物語の中の犯罪を今の法律で裁いてみるという手に取りやすいレベルの本。実際法律の知識が全くない私でも最後まで面白く読めたし、飽きなかった。ちょうど先日裁判員制度の問題がニュースで取り上げられていて、この本の知識が役に立った。もう少し刑事事件・裁判の本を読んでみたい。個人的には少年法に興味がある。2015/05/22

Maiラピ

16
昨年読んだ村上春樹の「1Q84」、吉田修一の「悪人」そしてちょっと前だけど東野圭吾の「容疑者Xの献身」などで起こった犯罪を裁判員裁判にかけたら、死刑か無罪か、懲役何年か? 東野圭吾の「容疑者Xの献身」の原作もそうだけど映画はまるで堤真一扮する石神がヒーローだったことに違和感があった。著者の見解を読んで溜飲を下げる。青豆さんも一見正義の味方だけど、現実だとね。悪人の祐一は少し同情しちゃう。その他、模倣犯やハンニバル・レクター博士や逃亡者のキンブルなどなど楽しめた。少しだけ違う見方が出来るようになったかも。2011/02/06

アルクシ・ガイ

7
平易なのに読みにくい、妙な文章。しょっぱなは「ウエストサイド物語」だが、これはA団の一人がB団の一人を殺し、それを見たB団の一人がA団の一人を殺し、またA団の一人が・・・・で、かなりややこしい。「ふつうの殺人」の例に挙げるのは、不適当だろう。奇をてらう映画や小説では「ふつうの殺人」そのものが乏しいのかも。刑事裁判のアウトラインを知るには良い本です。でも読みながら「この著者とは感性が合わないなあ」と痛感しました。直に会って会話したら、通訳が要るに違いない。2017/03/13

moe

7
いろいろな小説で起こった殺人事件を今の日本の法律で裁くとどんな量刑になるかを解説しています。私は法律のことは全く疎いので、この本で日本の刑法がどういう考え方で成り立っているかを、おぼろげながら理解できたような気がします。裁判員制度も導入され、自分もいつ刑事裁判に関わることがあるかもしれないので、この本を読んで良かったと思いました。2011/03/13

tako

6
「映画や小説の名作の中で起きた事件を実際の法廷で裁くとどうなるか」という内容の本。 内容が丁寧、かつ簡潔でわかりやすかった。「ウエストサイド物語」から「1Q84」まで全部で24の作品が取り上げられているけど、裁判の内容以上に特筆すべきは「あらすじの説明がすごく上手!」ということ。簡潔にサラッと書いてあるけど、非常に解りやすくそれでいて物語の本質的な部分も見えるいい文章だった。他の作品を題材にしたものも読んでみたいな。続編希望。イラストレーターのたなか鮎子さんによるカバー+扉イラストも印象的。2014/07/13

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