図解ドレナージハンドブック

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図解ドレナージハンドブック

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  • サイズ B5判/ページ数 254p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784498050365
  • NDC分類 494.28
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 序  ドレナージは,最も古くから行われてきた外科的処置の一つである.膿瘍の切開,排膿,血腫の除去などは,外科の歴史とともに始まった最も古い外科的治療である.  ドレーンの置き方一つが患者の術後の経過や予後に重大な影響をおよぼすことは,常日頃,私たちが経験しているところである.  一方,ドレーンの入れ方と同様に,ドレーンの抜き方も治療経過に大きな影響をおよぼす.すなわち,いったん入れたドレーンをどのように抜くか,そのタイミングと抜く方法も大切なことである.無用なドレーンの挿入や,必要以上に長いドレーンの留置は,感染や創傷治癒の遅延につながる.無用なドレーンは入れないことも大切である.  最近は,それぞれの部位や状況に応じて使用できるいろいろ便利なドレーンが考案されている.それぞれの特徴を熟知し,その使用法を知っておくことが大切である.  本書では,主として一般外科,消化器外科,胸部外科などで日常行われているドレナージ法についてまとめてある.膿瘍や,肝胆膵疾患における治療的ドレナージから,周術期のドレナージ,手術におけるドレナージにいたるまで,日常私たちが遭遇するあらゆるドレナージについて網羅したものである.単純なドレナージ法から,最近の超音波ガイド下のドレナージ法,新しいドレーンチューブ材料や,特殊な方法にいたるまで,現時点での最新の知見とテクニックを盛りこんである.したがって,本書を読んでいただけば,外来,入院を問わず患者についてのドレナージ法について一通りの理解をいただけるものと信ずる.  ドレーンの置き方には,外科医の臨床家としての力量と経験とが最も端的にあらわれる.ドレーン1本といえども決しておろそかにしてはならない.  本書を読んだ上で,読者の方々にはさらに自分なりの工夫を加えていただければと願っている. 1995年10月 出月康夫    《目次》 §1 総論 1.ドレナージの種類と方法 〈窪田敬一〉2 A.ドレナージの種類 2 1.目的よりみた分類 2 2.手技よりみた分類 3 B.ドレナージの適応 3 C.ドレナージのための器具 4 D.ドレナージの手技・方法 4 E.ドレナージ後の管理 5 F.ドレナージ後の合併症 6 2.ドレナージに必要な器具と材質 〈万代恭嗣〉7 A.基本的事項 7 1.経皮的ドレナージと手術時のドレナージ 7 2.材質 7 B.穿刺によるドレーン留置とその器具 8 1.穿刺針 8 2.針付きドレナージチューブ 9 3.陰圧ドレナージチューブ 10 C.手術時に用いるドレナージ器具 10 1.胸腔 10 2.遊離腹腔内 10 3.特殊ドレーン 12 §2 膿瘍ドレナージ 1.膿瘍の画像診断法 〈小久保宇〉16 A.検査法 16 B.腹腔内膿瘍 18 C.肝膿瘍 21 D.その他の膿瘍 22 1.膵膿瘍 22 2.腎膿瘍 23 3.後腹膜膿瘍 24 2.軟部組織膿瘍ドレナージ 〈伊藤靖彦〉25 A.軟部組織膿瘍治療の原則 25 B.代表的な軟部組織膿瘍とそのドレナージ 25 1.炎症性粉瘤 25 2.せつ,癰 29 3.ひょう疸,爪周囲炎 30 C.その他の軟部組織膿瘍 33 3.乳腺炎のドレナージ法 〈馬場紀行〉35 A.乳腺炎について 35 B.乳腺炎の病因 35 1.うっ滞性乳腺炎 35 2.急性化膿性乳腺炎 35 3.慢性再発性乳腺炎 36 C.外科治療の適応 37 1.急性化膿性乳腺炎のドレナージ法 37 2.慢性再発性乳腺炎のドレナージ法 39 4.腹腔内膿瘍ドレナージ 41 a.消化器手術後腹腔内ドレナージ 〈杉山敦 川崎誠治〉41 A.適応と診断 41 B.器具 42 1.超音波ガイド下ドレナージ 42 2.ドレーン 43 3.手術器具 43 C.手技 43 1.超音波ガイド下ドレナージ 43 2.手術 45 D.術前術後管理 46 b.汎発性腹膜炎ドレナージ 〈小林利彦〉48 A.適応 48 1.腹腔内全体のドレナージは可能か? 48 2.汎発性腹膜炎に対するドレナージの適応 49 B.器具 50 1.材質 50 2.形態 50 3.用途による使い分け 50 C.手技と方法 51 1.時代の変遷 51 2.ドレーンの留置部位 51 3.ドレーン挿入時の注意 52 4.クローズドドレナージについて 53 D.ドレーン管理の注意点 53 1.ドレナージが有効に働いているか? 53 2.術後の体位と早期離床について 53 3.ドレーン抜去の時期は? 53 E.合併症とその対策 54 1.汎発性腹膜炎ドレナージの合併症 54 c.横隔膜下膿瘍ドレナージ 〈土井隆一郎 井上一知 今村正之〉55 A.横隔膜下膿瘍ドレナージの方法 55 B.適応を決定するのに必要な検査とその所見 56 C.エコーガイド下穿刺およびドレナージ 59 1.適応 59 2.術前検査 59 3.術前処置 59 4.体位 59 5.穿刺操作 60 6.術後管理 61 7.合併症とその対策 61 D.手術的ドレナージ 62 1.適応 62 2.腹膜外到達法 62 3.開腹直達法 63 4.術後管理 63 d.DOUGLAS窩膿瘍ドレナージ 〈柴崎正幸〉65 A.適応 65 B.器具 67 C.手技,方法 68 1.経直腸的ドレナージ 68 2.経腟的ドレナージ 70 D.術前・術後管理と注意点 70 E.合併症とその対策 71 5.肛囲膿瘍のドレナージ 〈衣笠昭〉72 A.肛囲膿瘍の種類 72 B.術前検査 73 C.術前準備 73 D.麻酔 74 E.体位 74 F.ドレナージに使用する材料 74 G.手技,方法 74 1.皮下膿瘍の切開とドレナージ 74 2.低位筋間膿瘍の切開とドレナージ 74 3.高位筋間膿瘍の切開とドレナージ 76 4.坐骨直腸窩膿瘍の切開とドレナージ 77 5.骨盤直腸窩膿瘍のドレナージ 78 H.drainage (loosly) seton method 78 6.後腹膜膿瘍ドレナージ 〈照屋正則〉80 A.適応 80 B.方法と器具 83 C.手技 83 1.手術的ドレナージ法 83 2.穿刺吸引ドレナージ 86 D.術後管理と注意点 89 E.合併症と対策 90 1.手術的ドレナージ 90 2.超音波誘導下穿刺吸引ドレナージ 90 §3 消化器外科手術後ドレナージ 1.食道手術後ドレナージ 〈宇田川晴司 鶴丸昌彦 秋山洋〉92 A.体腔,術野のドレナージ 92 1.胸腔ドレナージ 92 2.腹腔ドレナージ 93 3.頸部ドレナージ 94 4.縦隔ドレナージ 95 B.消化管ドレナージ 96 1.食道切除再建術時 96 2.バイパス術時のドレナージ 97 2.胃手術後ドレナージ 〈小西敏郎〉100 A.胃手術におけるドレーン留置の適応 100 B.ドレーン留置の不要の手術 101 C.ドレーンについて 101 D.ドレナージの方法について 102 E.ドレーンの管理とドレーンによる合併症 102 F.各種の胃手術におけるドレナージの実態 103 1.胃癌の手術 103 2.胃十二指腸潰瘍の手術 108 3.小腸および大腸手術後ドレナージ〈洲之内広紀 沢田俊夫 斎藤幸夫 武藤徹一郎〉109 A.小腸大腸手術後のドレナージ総論 109 B.定型的手術のドレーン留置方法と管理 110 C.ドレナージの合併症 115 4.肝・胆・膵手術後ドレナージ 〈窪田敬一〉116 A.適応 116 B.器具 116 C.手技,方法 116 1.肝切除後ドレナージ 116 2.胆嚢摘出後ドレナージ 118 3.胆管切除,胆道再建後ドレナージ 118 4.膵頭十二指腸切除後ドレナージ 118 D.術後管理 119 1.滲出液,吻合部のドレナージを目的としたドレーンの管理 119 2.胆管・膵管ドレナージチューブの管理 119 E.合併症と対策 120 §4 肝・胆道系ドレナージ 1.肝膿瘍ドレナージ 〈渡辺五朗 松田正道 鶴丸昌彦〉122 A.肝膿瘍の疾患概念 122 B.肝膿瘍ドレナージの手技 122 1.用具 122 2.手順 122 C.症例と適応 124 2.経皮経肝胆管ドレナージ 〈窪田敬一〉127 A.目的と適応 127 B.器具 127 C.手技,方法 129 D.ドレナージ後の管理 132 E.合併症 132 3.経皮経肝胆嚢ドレナージ 〈窪田敬一〉134 A.目的と適応 134 B.器具 134 C.手技,方法 135 D.ドレナージ後の管理 137 E.合併症 139 4.内視鏡的乳頭切開術 〈松本伸二 安波洋一 池田靖洋〉140 A.適応と禁忌 140 B.使用器具 141 1.十二指腸ファイバースコープ 141 2.乳頭切開ナイフ 141 C.手技 142 1.乳頭部への到達 142 2.胆管内挿管 143 3.ESTの手技 143 D.術前・術後管理と注意点 145 1.術前処置 145 2.術後処置 145 E.合併症とその対策 145 1.胆管炎 146 2.急性膵炎 146 3.出血 147 4.十二指腸穿孔 147 5.バスケットカテーテル嵌頓 147 5.内視鏡的逆行性胆道度 〈安田秀喜 高田忠敬〉149 A.内視鏡的経鼻的胆道ドレナージ(ENBD) 149 1.ENBDの歴史 149 2.ENBDの適応と特徴 149 3.ENBDの手技 149 B.内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(ERBD) 153 1.ERBDの歴史 153 2.ERBDの特徴と適応 153 3.ERBDの手技 153 §5 膵炎のドレナージ 1.急性膵炎のドレナージ 〈原口義座 星野正巳 長谷川俊二〉160 A.膵炎のドレナージに必要な局所解剖 160 B.急性膵炎にみられる変化 160 C.適応,目的,特徴 162 1.腹腔・後腹膜ドレナージ 162 2.腹腔内以外のドレナージ 164 D.手技,方法 164 E.注意点,合併症とその対策 167 2.壊死性膵炎に対するネクロセクトミー・オープンドレナージ 〈武田和憲〉169 A.急性膵炎に対する外科的治療の変遷 169 B.ネクロセクトミー,オープンドレナージの適応とタイミング 171 1.造影CTによる膵壊死範囲の把握,膵外への炎症の進展度の把握 171 2.ネクロセクトミー,オープンドレナージの適応 172 C.ネクロセクトミー,オープンドレナージの実際 174 1.皮膚切開 174 2.膵への到達経路とネクロセクトミー 174 3.胆嚢外瘻造設 177 4.回腸瘻造設 177 5.ドレーンの留置と術後の局所洗浄 178 6.オープンドレナージ 178 7.術後管理 179 8.オープンドレナージの合併症とその対策 179 9.自験症例の概要 181 3.仮性膵嚢胞ドレナージ 〈山口孝 濱崎宏明 門原留男 林 欽〉183 A.膵仮性嚢胞の発症とその病態生理 183 B.保存的治療と術前管理 184 C.仮性嚢胞の自然治癒とドレナージの適応 184 D.治療法と術式の選択 186 嚢胞ドレナージ術 186 E.遠隔時の管理と遠隔成績 194 §6 一般外科手術後ドレナージ 1.乳腺手術後ドレナージ 〈吉本賢隆〉196 A.目的 196 B.適応 196 C.ドレナージの種類,器具 196 D.手技,方法 198 E.管理上の要点 199 1.ドレーンの管理 199 2.逆行性感染の予防 200 3.ドレーン抜去 200 F.合併症とその対策 200 1.創感染 200 2.ドレーンに伴う痛み 201 G.その他の問題点 201 2.甲状腺手術後のドレナージ 〈馬場紀行〉203 A.甲状腺手術の現状とドレナージの必要性 203 B.甲状腺の解剖と出血をきたしやすい部位 203 C.甲状腺手術の対象となる疾患およびドレナージの適応 204 1.急性化膿性甲状腺炎 204 2.甲状腺機能亢進症 204 3.良性甲状腺腫瘍 205 4.甲状腺分化癌 205 D.ドレナージの手技,方法 206 1.化膿性甲状腺炎手術後のドレナージ 206 2.甲状腺機能亢進症手術後のドレナージ 206 3.甲状腺良性腫瘍手術後のドレナージ 206 4.甲状腺分化癌手術後のドレナージ 206 E.合併症とその対策 208 §7 胸部のドレナージ 1.胸腔ドレナージ 〈近藤晴彦〉210 A.胸腔の特殊性 210 B.胸腔ドレナージを要するとき 210 C.胸腔ドレナージの手技 211 1.基本的事項 211 2.基本手技 215 D.胸腔ドレーン挿入後の管理 219 2.心嚢ドレナージ 〈川内基裕〉221 A.心嚢穿刺術 221 B.心嚢ドレナージ 224 C.心嚢開窓術 225 3.縦隔ドレナージ 〈中島淳〉227 A.術後の縦隔ドレナージ 227 B.縦隔炎に対する縦隔ドレナージ 229 C.手術以外の原因による急性の縦隔炎に対するドレナージ 232 §8 穿刺によるドレナージ 1.血腫ドレナージ 〈渡辺稔〉236 A.適応 236 B.器具,手技,方法 237 C.術前・術後管理と注意点 237 2.関節腔ドレナージ 〈酒井宏哉〉238 A.適応 238 B.器具 238 C.手技,方法 239 D.手技後の注意点 242 E.合併症とその対策 242 3.泌尿器系ドレナージ 〈押正也〉243 A.膀胱瘻 243 B.経皮的腎瘻 245 C.腎膿瘍・腎周囲膿瘍に対する経皮的ドレナージ 250 索引 251

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