消毒,滅菌ガイド - 感染制御のために (2版)

消毒,滅菌ガイド - 感染制御のために (2版)

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  • サイズ B6判/ページ数 347p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784498021051
  • NDC分類 491.72
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 序
 病院感染制御には,その感染源となる微生物そのものを死滅させる方法,感染の経路を遮断してやる方法,患者の感染に対する抵抗力を高めてやる方法,の三者があるが,最も徹底的かつ確実な方法は,第一の方法,つまり,感染源を死滅させることである.微生物を死滅させる方法には,滅菌法と消毒法とがあり,滅菌法は,ほぼ完璧な処理方法であると言える.しかし,生体には適応できないし,大型の機器も処理ができにくい.
 感染対策として一番多くの場で採用されるのは,消毒法であり,消毒薬の適用となる対象が最多と言えよう.しかしながら消毒薬は,不完全な処理方法であり,消毒薬の中で増殖する細菌は少くない.
 したがって,病院感染対策を有効に実践するためには,消毒薬を効果的に活用することが肝要である.やたらに消毒薬を過信することなく,対象とする微生物を考慮した薬剤を適切に選択し,適当な処理方法によって有効に実践することである.
 本書は,このような目的から,消毒薬を中心に,その周辺の諸問題を詳説してもらった.病院感染制御と結びつけた消毒薬の活用方法を,多角的に論じた教科書は他に類を見ず,著者の諸先生方のご尽力により,素晴らしい書を刊行できるに至った.心より感謝の意を表すると伴に,本書が,感染制御の臨床に大いに役立つことを切望して止まない.
1995年8月
小林寛伊    

《目次》
目次
I.総論 1
1.最近の病院感染の傾向と問題点 〈小林寛伊〉2
2.最近の病院感染微生物とその特徴 〈山口惠三〉8
II.微生物別による対策の実際 13
1.黄色ブドウ球菌 〈平井義一〉14
2.コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 〈平井義一〉22
3.レンサ球菌 〈横田憲治〉25
4.腸球菌 〈横田憲治〉31
5.抗酸菌 〈平井義一〉33
6.腸内細菌類 〈小熊惠二〉38
7.ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌 〈平井義一〉45
(付:Legionella, Helicobacter)
8.嫌気性菌 〈小熊惠二〉54
9.真菌 〈大久保憲〉60
10.リケッチア 〈大久保憲〉66
11.スピロヘータ 〈大久保憲〉69
12.経気道感染ウイルス 〈大久保憲〉72
13.経消化管感染ウイルス 〈大久保憲〉76
14.眼科感染ウイルス 〈大久保憲〉79
15.肝炎ウイルス 〈大久保憲〉82
16.エイズウイルス 〈大久保憲〉87
17.出血熱ウイルス 〈大久保憲〉91
18.CREUTZFELDT-JAKOB病 〈大久保憲〉94
III.滅菌法 97
1.高圧蒸気滅菌 〈古山信明〉98
2.酸化エチレンガス滅菌 〈青木範充〉104
3.濾過滅菌 〈青木範充〉108
4.放射線滅菌 〈細渕和成〉109
5.電子線滅菌 〈細渕和成〉114
6.その他の滅菌法 〈加見谷将人〉119
IV.消毒法・消毒薬 127
A.消毒法の種類 〈永井勲〉128
A.物理的消毒法 128
B.化学的消毒法 129
C.消毒薬を使用した消毒法 130
D.消毒薬の使用法 131
E.手指消毒法 132
F.物品・環境の消毒法 133
B.消毒薬 135
【ハロゲン系薬剤】
1.ヨードホール(ポビドンヨード,ポロクサマーヨード) 〈尾家重治〉135
2.次亜塩素酸ナトリウム 〈尾家重治〉143
3.ジクロルイソシアヌール酸ナトリウム 〈尾家重治〉148
【酸化剤】
4.オキシドール 〈尾家重治〉150
【アルコール類】
5.エタノール 〈中村幸一 伊賀立二〉153
6.イソプロパノール 〈中村幸一 伊賀立二〉156
7.ブロノポール 〈中村幸一 伊賀立二〉159
【アルデヒド類】
8.ホルムアルデヒド 〈中村幸一 伊賀立二〉163
9.グルタラール 〈中村幸一 伊賀立二〉168
【フェノール類】
10.フェノール(石炭酸) 〈川西園代〉171
11.クレゾール石ケン 〈川西園代〉175
【第4級アンモニウム塩】
12.塩化ベンザルコニウム 〈川西園代〉178
13.塩化ベンゼトニウム 〈川西園代〉183
【両性界面活性剤】
14.塩酸アルキルジアミノエチルグリシン 〈白石正〉187
15.塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン 〈白石正〉192
16.その他の両性界面活性剤 〈白石正〉196
【クロルヘキシジン】
17.グルコン酸クロルヘキシジン 〈白石正〉197
【問題を有する消毒薬】
18.水銀化合物 〈新太喜治〉203
19.フェノール類 〈新太喜治〉206
20.ビスフェノール 〈新太喜治〉209
V.感染対策の組織化 〈矢野久子 小林寛伊〉213
A.感染対策委員会の機能 215
B.感染対策委員会の活動 217
C.日本における感染制御ドクター・ナースの現状と今後の展望 220
VI.微生物検査とその結果の読み方 〈小林芳夫〉225
A.本来無菌である検体 227
B.本来無菌ではない検体 236
C.その他 239
D.特殊な病原微生物 240
VII.消毒の実際 〈島田慈彦 黒山政一〉241
A.消毒薬の使用方法と一般的注意 243
B.消毒薬の使用状況 248
C.生体に対する消毒薬の使用 251
D.器械・器具,環境に対する消毒薬の使用 255
E.消毒薬の混合使用 257
F.消毒薬の副作用 259
VIII.感染性廃棄物の処理法 〈細渕和成〉265
1.法律的な位置付け 266
2.守らなければならない法律など 266
3.具体的な罰則 267
4.感染性廃棄物とは 267
5.感染性廃棄物の処理の責任 268
6.感染性廃棄物の処理法 269
7.具体的な処理の原則 270
8.委託処理 271
9.報告の提出義務 271
附.関連法規 〈細渕和成〉273
1.感染症予防法(案) 274
2.結核予防法 274
3.らい予防法の廃止に関する法律 276
6.検疫法 277
7.医療法 277
8.廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃棄物処理法) 279
〔参考I〕「HIV医療機関内感染予防対策指針」 281
〔参考II〕「医療施設における院内感染の防止について」 289
〔参考III〕「病院,診療所等の業務委託について」 293
〔参考IV〕「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」 312
主な消毒薬 328
索引 336