魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480815125
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

何度も同じものと闘う。誰もが逃げられない、生きている限り続く試行錯誤をとらえた小説魂あふれるエッセイ集。

目次

馬のいななきみたいなアドリブ
私を伐らないで
魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない
何度読んでも記憶できない
石のように寸分の余地もなく詰まっている
私は軋轢を墓碑銘としよう
人類はもう長くない
人は死なない
静的な読書ができない
馬鹿は放っておこう〔ほか〕

著者等紹介

保坂和志[ホサカカズシ]
1956年、山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政治経済学部卒業。90年『プレーンソング』でデビュー。93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年『この人の閾』で芥川賞、97年『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞、平林たい子文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まゆ

14
ものすごくおもしろく読んだ。言い回しがおもしろいのもある。「九五年頃、私は突然驚いたのだが」とか。そんなことより、なんでこんなにこの人がおもしろいかっていうと、ちゃんと自分でいっぱい考えてるからです。人が理解できるような筋道で考えるのではなくて、自分のペースで自分なりに考えているからおもしろいのです。2015/08/18

ドナルド@灯れ松明の火

7
読み難いったらありゃしない。内容も「わしはこう考えとるんじゃが、わからんもんはわからんでいいよ。でも知った風に批判はするな。」という感じのエッセイ集で、彼を批判した作家に対してカフカはこう書くんじゃとばかりに難解で読みにくい文章をあえて書きちらかすのだ。中で鎌倉の幼馴染と久しぶりに会う話は面白い。猫を飼っていてその愛猫が亡くなる描写が壮絶。ペットとしてみていない。3.11以降の話は少し真面目に日本の政党政治の末期的症状を鋭く指摘している。とにかく一歩も二歩も他の作家とはスタンスが異なっていていっそ潔い。2012/05/10

かやは

6
日常の中で自分と世界の関わりを真剣に見つめて描いているんだと感じた。閉じた世界の楽しさは、開かれた世界の親しみやすさのなかでは感じられないもの。著者は私とは相反する部分が多い。私には革命の意思は無いし、どちらかといえば外っ側を見ている。でも自分と違う感覚を知るのは面白いことだと思った。人として豊かに暮らすことは、利便性が良くなれば果たされるのか?という疑問。芸術をやるように、直感的に思考することの重要性。数字に反映できない個人の豊かさを蔑ろにしてきた近代。そのシステムを変革する時代にきたのではないか。 2013/03/13

HAL-

4
小難しい言い方をしてるが読みづらさは無い。斜に構えた考え方を的確に文章にしているところが鮮やか。楽しく読ませてもらったが、終盤に保坂さんの反骨精神が爆発して政治に対する思想が入り乱れている部分は少しきつかったかな。2018/11/11

みー

3
「世界平和や貧困からの救済を言い、そのための活動は熱心にするが、一対一で会うとひじょうに感じの悪い人がいる。世界を一括で平和にしたら、貧困を一括でなくしたりすることはできないわけで、その人たちは「世界」や「人」という概念を救おうとはしても、目の前にいる現実の人を救う気持ちは基本的には持っていないのではないか。」 保坂さんのエッセイは初めて読みましたが、取り繕うことをしない大変正直な方だな、という印象です。いっしょにおしゃべりはしたくないけれど、誰かとおしゃべりしている様子はぜひ聞いてみたくなりました。2018/03/11

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