東京の戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 198p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480814364
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0095

内容説明

初めての回想記。物干台で凧を揚げていて遭遇した東京初空襲の米軍機。戦中にも通った寄席。汽車に乗って中学生の一人旅…。六十年の時を超えて鮮かに甦る戦中・戦後の熱い記憶。

目次

空襲のこと
電車、列車のこと
石鹸、煙草
土中の世界
ひそかな楽しみ
蚊、虱…
歪んだ生活
戦争と男と女
人それぞれの戦い
乗り物さまざま
食物との戦い
中学生の一人旅
進駐軍
ガード下
父の納骨

著者等紹介

吉村昭[ヨシムラアキラ]
昭和2年(1927年)5月1日、東京に生まれる。昭和41年、『星への旅』により太宰治賞を受賞。昭和48年、『戦艦武蔵』『関東大震災』などにより菊池寛賞を受賞。昭和54年、『ふぉん・しいほるとの娘』により吉川英治文学賞を受賞。昭和60年、『冷たい夏、熱い夏』により毎日芸術賞を受賞。『破獄』により読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞。昭和62年、日本芸術院賞受賞。平成6年、『天狗争乱』により大仏次郎賞を受賞。平成9年、日本芸術院会員。平成12年、海洋文学大賞特別賞受賞
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感想・レビュー

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Cinejazz

13
東京で生まれ育った吉村昭氏(1927-2006)が、日本が泥沼の中国戦線から大東亜戦争へと雪崩れ込んでから60年の歳月が過ぎようとしていた頃、少年だった当時の記憶を掘り起こし、悲惨な時代の東京の街々の情景、食糧難で生活に困窮する人々の姿を綴った16篇のエッセイ集です。東京空襲の恐怖、進駐軍のいた街の風景、過酷な運命を背負いながら必死に生きた人々、力尽き果てた人々の姿など、徴兵検査を受け招集の直前に終戦となった筆者の記憶の底にくっきりと刻み込まれた、不幸な時代を後世に伝える貴重な記録でもあります。2021/08/12

Ryuji

6
★★★★☆悲壮感は感じないが(というより敢えてそのような書き方をされたのかなと思う)、当時の悲惨さや大変さは十分に伝わってくる。私の高校・大学時代は今から30年以上前であるが、今でもその時代のことはよく覚えている。私が生まれたのは昭和43年で戦後23年目で戦争のことは全く知らないが、私が生まれた頃はまだ戦争はついこの間のことだったのだろうと思うと何か感慨深い。ウクライナ、1日も早く終わること願う。2022/06/04

teitowoaruku

4
たんたんとした調子で、まるで人事のように書かれた筆者の戦中、戦後の東京での記録。文章の静けさが、時代の凄まじさを却って感じさせた。2021/06/09

さざなみ

4
久しぶりの吉村昭の作品を読む。 改めて戦争という庶民を苦しめた愚かな行為を思い出させ二度とこのような 事が起きないようにと思った。2016/10/10

水無月十六(ニール・フィレル)

3
戦時中日本の筆者の経験を語った本。『三陸海岸大津波』を読んだ時と同じく、筆者の書き方はあまり感情が載っていないように感じながらも印象深くエピソードが残る書き方だと感じた。凄惨さを際立たせるような感じでもなく、ただ経験した事実を述べているようなのだが、焼け跡の匂いがこちらにも伝わってくるような感覚があった。今以上にいつ死ぬかわからない時代に懸命に生きていた人々の記録としても興味深い内容だった。2022/04/11

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