ちくま文庫
お菓子の髑髏―ブラッドベリ初期ミステリ短篇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480429292
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

若き日のブラッドベリが探偵小説誌に発表した作品のなかから選ばれた15篇。ブラッドベリらしい、ひねりのきいたミステリ短篇集。

内容説明

失踪した友人を探してメキシコにやってきた、アメリカ人作家ロビー。伝統の祝祭「死者の日」の朝、目覚めたロビーの目に飛び込んできたのは、何者かが置いていった砂糖菓子の髑髏だった。やがて友人の死骸が地下墓地で発見され、彼の身にも危険が―若き日のブラッドベリが探偵小説誌に発表した作品から選ばれた15篇。ブラッドベリらしい幻想味と怪奇にあふれた、ひねりのある殺人劇。

著者等紹介

ブラッドベリ,レイ[ブラッドベリ,レイ][Bradbury,Ray]
1920年アメリカ、イリノイ州生まれ。作家。詩人。高校卒業後、街頭新聞売りのかたわら独力で『フューチュリア・ファンタジア』を発行。パルプ・マガジンに短篇を発表したのち、1947年に短篇集『ダークカーニバル』を刊行。続いて1950年に『火星年代記』を、1953年には『華氏451度』を刊行し、名声を得る

仁賀克雄[ジンカカツオ]
1936年横浜生まれ。早稲田大学在学中、江戸川乱歩を顧問に迎えワセダミステリクラブを創設。卒業後は本業のかたわら、創作活動や翻訳などに従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いりあ

27
"十月はたそがれの国"や"華氏451度"などSFや幻想文学で有名なレイ・ブラッドベリの短篇集です。1944年~48年にかけて発表された初期の短編のうち、"殺人"を取り扱ったものを15編収録しています。"殺人"というテーマで、ミステリーからSF、そしてホラーまで、これだけのバラエティに富んだ作品を描き出せるというのが驚きです。しかし、修行時代ということで作品のクオリティは、さすがブラッドベリと思わせる面白いものから、なんだか分からなかったものまでバラバラです。ちょっと人と違ったものを読みたい人にはオススメ。2013/10/28

HANA

24
犯人探しのミステリというよりは、奇妙な味の短編集といった趣。叙情的な作品が多く、後年の名作の萌芽は既に芽生えていたのだなと感心させられる。怖さで言えば「幼い刺客」哀しさでいえば「屍体カーニバル」が其々名作だと思った。その他にも奇妙な機械が変な可笑しさを誘う「生ける葬儀」、病気を上手にプロットに取り込んだ「用心深い男の死」等上手い作品が揃っている。巨匠の修行時代という点からも興味深い本でありました。2012/05/16

藤月はな(灯れ松明の火)

21
今夏に逝去なされたレイ・ブラッドベリ氏に黙祷。恐怖ではなく、ミステリでもなく、どこかで「日常」という道を踏み外して徐々に沼に沈み込むような不安が募る作品集。「幼い刺客」は生まれてくる子がこれから生きてみて絶望したり、辛くなることを知ったら絶対にそう思うだろうという、物が分かってしまったがために生みの親を憎悪した者にとっては共感できる作品。「長い夜」は最後の一文の意味にぞっとし、「屍体カーニバル」は逆に涙。「生ける埋葬」は心底、こんな埋葬は嫌だと思い、「ぼくはそれほどばかじゃない!」は主人公に悪い意味でGJ2012/09/14

sankichineko

18
「この作家の初読本に選んではいけない」作品を、うっかり引き当てることがあります。中井英夫の初読が「光のアダム」みたいな。今回もやってしまいました。これは主要なブラッドベリ作品を読んだ後、「若いころはこんなのも書いてたのね~」と読むのが正しい本です。それでも、「屍体カーニバル」の哀しすぎる愛、「はるかな家路」の皮肉な夫婦の結末などは、短編ながら読み応えがありました。2015/08/15

ハルト

16
ブラッドベリの初期の、ミステリの短篇集でありながら、やはり彼らしさは健在。抒情的で鮮やかさある美しさと暗さ残酷さが垣間見えました。少年と喪失も。ミステリに幻想さがわずかに加味されており作品の味わいに奇妙さを生み出しているように思えました。著者が好きと言っていた「幼い刺客」「トランク・レディ」、そして「悪党〜」の二作が好きでした。今年六月に亡くなられたのが残念。ご冥福をお祈りいたします。2012/07/06

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