出版社内容情報
万葉集、枕草子、徒然草、百人一首などに学ぶ、前向きにしなやかに生きていくためのヒント。古典講座の人気講師による古典エッセイ。
内容説明
前向きに楽しく生きるためにも、古典の中から沢山のヒントを見つけよう。清川先生が自身に引き寄せて読み解く古典は、身近にいる友のようである。万葉集、枕草子、徒然草、百人一首などの古典に学ぶ生き方の知恵。
目次
1 清少納言の心のバネ・好奇心(清少納言は腹心の友;性能のいい心のバネを持とう;小さな喜びの珠をつないで ほか)
2 兼好さんのしなやかな知恵(坂をくだる輪にはならない;心目ざめの小さな旅;仕事を持って生き続ける女性は美しい ほか)
3 古典のシンクロニシティー(百人一首;箱の中に入れるのは、いとしいものばかり;絵になる万葉の歌六首 ほか)
著者等紹介
清川妙[キヨカワタエ]
1921年、山口県生まれ。奈良女高師(現奈良女子大学)卒業。教職を経たのち文筆活動に入る。古典評論、エッセイなどのほか、万葉集、枕草子などの講座や講演会などで活躍中
早川茉莉[ハヤカワマリ]
ライター、編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
120
なんと素晴らしい本なのだろうか。この本を読むと、『枕草子』や『方丈記』、『万葉集』といった古典がぐっと身近なものになる。言い換えれば、清少納言や吉田兼好の胸の内が、自分の心の中にすうっと染み込んでくるのだ。清川さんは古典を語りながら、人としての生き方や美しい日本語もさりげなく教えて下さる。落ち込んだ時に、心を上向かせるために「心のバネを持とう」というアドバイスはとても参考になった。本書に出てくる直心(じきしん)という言葉も良い。「正しく真っ直ぐな心」という意味だ。いつか使ってみようと思う。2015/01/31
しゅわ
39
【図書館】90歳を超えるおばあちゃま作家さん。どんなものを書かれているのか?興味をもったので、まずはエッセイ集を手に取ってみました。つらいときも心を明るい方に弾き返すバネの使い方を伝授してくれた清少納言『枕草子』 おおらかな心と合理的精神、そして生きてることを喜び、日々を大切にすることを学んだ吉田兼好『徒然草』 恋人や家族はもちろん、自然や動植物に対しても共感する『万葉集』 それぞれから選りすぐった…いわば清川 妙さんのエッセンスが詰め込まれた一冊。古典ってこんなに魅力的だったのかと気付かされる良書です。2014/07/15
モリー
36
生きていることから生じる、様々なつらさから私も救われたくて読んだ。しかし、読み終えて思うに自分を救うの自分自身だということ。また、古典をひも解けば、自分で自分で救う実践的な見本の数々を知ることが出来るのだと分かった。これを活かさない手はない。例えば、『枕草子』からは清少納言の楽しみ上手、喜び上手の心を真似てみよう。また、『徒然草』に描かれた香りの世界からは、香りをたしなむことを取り入れよう。『平家物語』の「さてしもあるべき事ならねば」は、「さあ、こうしてばかりはいられない」と呪文のように唱えてみよう。2019/01/04
うさこ
14
ずっと側においてゆっくり読み返したい本。『万葉集』『枕草子』『徒然草』を題材に、”生きていくこと””愛について”人生の示唆が書かれています。 古語は上手く理解できなくてこれらの本を原書で読むのは難しい。(=_=;) もっと勉強しておけばよかったと後悔するも、人生の先達たちは今の人たちよりもずーっとユーモアに長けていたのかもと感心する。2014/08/06
壱萬弐仟縁
11
同じ文庫でも、字体が大きい部類に属する。だから、どんどん読み進めることができる。散歩の効用を書かれる(34頁)。著者のお気に入りのルートは、江戸川の土手とのこと。気分一新しないと、この世知辛い世の中、生きていけないな。落ちこんでいたら、体を動かそう(39頁)。確かに、ストレスは血流の悪さで病誘発するだろうと思う。一生かかっても、ひとつの仕事をみごとにやりとげることはむつかしい(120頁)。そうだと思う。ライフワークの苦しさ。2013/07/26