ちくま文庫
だれも知らなかった「百人一首」

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  • サイズ 文庫判/ページ数 287p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480428790
  • NDC分類 911.147
  • Cコード C0191

出版社内容情報

いまだ謎に包まれている「百人一首」にまつわるさまざまな関心事項を、わかりやすく正確に記した入門書。平安の名歌集の秘密に迫る。カラー口絵16頁。

内容説明

百人一首といえば正月かるたの定番だが、その成立の経緯や歌の選択基準・解釈については、藤原定家がかかわったという事実以外は多くが謎に包まれている。本書は、研究者の立場から「百人一首」にまつわるさまざまな関心事項を一般読者向けにやさしく、しかし正確に記した入門書。成立から千年を経て今なお人気の高い歌集の秘密に迫る。著者所蔵の稀少な史料を巻頭カラー口絵で紹介。

目次

第1部 「百人一首」とは何か(百人一首はいつどのように成立したか;『百人秀歌』の出現;「小倉色紙」の真贋;撰者・藤原定家の生涯;「小倉」百人一首という書名;定家の息子、為家の役割;百人一首に盛られた主題とは;撰ばれた歌人、撰ばれた歌への疑問;定家の意図的誤読;百人一首の中の本歌取り)
第2部 百人一首のひろがり(連歌師・宗祗の存在感;歌仙絵の謎;歌かるたの誕生;百人一首かるたの一人勝ち;持統天皇は“看板娘”;“穴無し小町”伝説;崇徳院の畳の謎;式子内親王への愛執;百人一首にみる『源氏物語』;浮世絵になった百人一首)
第3部 現代に生きる百人一首(競技かるた一〇〇周年;“異種百人一首”について;翻訳された百人一首;近代文学と百人一首;宝塚少女歌劇団の百人一首名;百人一首はおいしい;猫の戻るまじない歌;「小倉山荘」と「時雨亭」;百人一首の歌碑建立)

著者等紹介

吉海直人[ヨシカイナオト]
1953年、長崎県生まれ。國學院大學大学院修了。博士(文学)。現在、同志社女子大学表象文化学部日本語日本文学科教授。専門は平安時代の物語文学および和歌文学。長年百人一首の総合研究を続ける中で、「異本百人一首」の発見をはじめ、かるたや浮世絵などの関連資料を数多く発掘・紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

氷柱

6
851作目。4月18日から。ページ数は少ないが百人一首のエッセンスが存分に詰め込まれている。終盤にかけてプチ雑学的な要素が詰め込まれていて、この作者は本当に百人一首が好きなんだなと強く思えた。やはり終盤にこそ作者の真の主張が出る。今作では敢えてそこで学術的な小難しい話を山盛りにしていない。そんな所に作者の人柄が出ていて、また「わかっている感」がこもっていた。そして本気で百人一首の良い所を伝えようとしている姿を垣間見ることができた。2022/04/21

あやや

5
顧問の国語の先生に薦められて読んでみることに。百人一首の成立や謎について、知らなかった事がたくさんで面白かったです。2014/05/30

やす

3
一昔前に流行った百人一首の謎解き本かなあと読んでみたけれど、もう少し真面目な百人一首の解説本でした。どんな経緯で作られたのか、定家はどんな基準で選んだのか、定家の人生とともに解説していく。また、百人一首が日本人にどのように受け入れられていったのか、近世、近代、現代の風俗史を紹介する。歌そのものの解説というより周辺の解説が多い感じ。文庫版後書きではマンガ「ちはやふる」にまで言及されている。まあ名作だからなあ。2012/11/03

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