ちくま学芸文庫
幻想の東洋〈上〉―オリエンタリズムの系譜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480089441
  • NDC分類 220.04
  • Cコード C0120

内容説明

西欧は東洋をどのように表象してきたのだろうか。とりわけエドワード・サイードによる問題提起以降、“オリエンタリズム”は最もアクチュアルな思想的主題のひとつである。本書もまた、西欧の東洋に対する知と支配の様式、そのイデオロギー性を批判するというモチーフをサイードと共有するが、時間的・空間的射程ははるかに長く、博捜はいっそう徹底的である。本巻には、古代異教世界の歴史意識に始まり、ユダヤ=キリスト教の普遍主義・終末論・政治神学、さらには使徒トマス伝説・祭司ヨーハンネース伝説など中世的想像力の諸相に及ぶ、第10章までを収録する。1987年度渋沢=クローデル賞受賞作。

目次

序 旅への誘い
1 最古の民・最果ての怪異
2 遍歴する賢者たち
3 秘教の解釈学
4 隠喩としての歴史
5 世の終りと帝国の興り
6 東の黎明・西の夕映え
7 終末のエルサレム
8 楽園の地理・インドの地理
9 秘境のキリスト教インド帝国
10 ―そして大海へ…

著者等紹介

彌永信美[イヤナガノブミ]
1948年生まれ。仏教学者、評論家。パリ高等研究院歴史・文献学科中退。仏教神話の伝承史的研究に加え、ヨーロッパ文化史・宗教史・神秘思想の該博な知見を生かした広範な評論活動を展開中。『幻想の東洋―オリエンタリズムの系譜』(1987年度渋沢=クローデル賞受賞)のほか、著書に『歴史という牢獄』、『大黒天変相』、『観音変容譚』が、訳書にヴァン・ジュネップ『通過儀礼』(秋山さと子氏と共訳)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

7
トポスは決まり文句の修辞(266ページ)。035ページに引用されたヘーロドトスの地図は、メルカトル図法と比べるとなんとなく中東世界が違った地政に見える。史料の図示も多用され、高校生の世界史が得意な人にも知的好奇心を満たしてくれる内容。やはり、文章よりも史料の面白いのに目が先にいく構成。図10の犬頭人なんてのは初めて拝見した(053ページ)。架空の動物(272ページ注)。欲を言えば、こうした史料がカラーだとより親しみが湧くだろうな。171ページのダンテの世界像は世界認識を人に伝える図として貴重な史料に思う。2013/02/19

ポルポ・ウィズ・バナナ

0
東洋、それは「西洋」に対するモノとして誕生した――2012/01/22

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