ちくま学芸文庫<br> 身体の中世

ちくま学芸文庫
身体の中世

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  • サイズ 文庫判/ページ数 402p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480086662
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C0122

内容説明

どの時代にもまして、身体を媒介として世界と関わったヨーロッパ中世。この時代、身体の各部位には多彩なメタファーが盛り込まれており、また、身体表現・感情表現には極めて重層的な社会的意味がこめられていた。アナール学派の研究をふまえつつ、多数の図像を用いて、「からだ」と「こころ」に向けられた中世ヨーロッパの視線から、色鮮やかな人間観を緻密に描きだす。

目次

1 身体コミュニケーション(身振りのシンボリズム;ダンスのイメージ ほか)
2 身体に関する知・メタファー・迷信(ミクロコスモス=マクロコスモス;「聖なる」からだと「穢れた」からだ ほか)
3 からだの「狂い」とこころの「狂い」(病気―罪の結果か受難の印か;狂気―悪魔憑きか神の使者か ほか)
4 感情表現の諸相(聖と俗の泣き笑い;嫉妬と羞恥―人間関係が生みだす情動 ほか)
5 五感の歴史(視覚―色彩と風景の台頭;聴覚―日常生活における音 ほか)

著者等紹介

池上俊一[イケガミシュンイチ]
1956年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋史学専攻博士課程中退。フランス国立社会科学高等研究院留学。現在、東京大学助教授。西洋中世史専攻
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

半木 糺

5
「身体」をキーワードとして中世の西欧人の精神性を探っていく書籍。文献資料だけでなく、普段意識されない「身体」や「感覚」といったものを軸にして人々の「心性」を探っていこうとするアナール学派の手法に基づいて記述されている。あとがきは日本中世史学者の黒田日出男氏が記しているが、本書のような手法、問題意識に則った日本中世史の著作を誰か出してもらいたい。2011/02/16

のの

0
コミュニケーション、メタファー、狂い、感情表現、五感という5つのテーマ毎に中世身体のあり方を述べたもの。長期間かつ広範囲なため、それぞれ肝となる事例中心で、そこまで掘り下げられてはない。(授業がもとになっているのも関係してるだろう。)まずは、の一冊。 参考文献やあとがきにある本が面白そう。2012/10/04

yanapong

0
ヨーロッパ中世の身体表現が、キリスト教による制限や世俗(宮廷)による制限をそれぞれ表象していることを指摘する。2010/06/04

Jun

0
「メディアの発達により画面だけのやり取りが増え、他者との身体の接近を避けて過ごすため、身体の存在感が希薄になっている。そのためむき出しの暴力的な身体に遭遇して驚く事態が起きている。遺伝子操作、クローン技術、臓器移植などで生とは、死とはが改めて問われている」2021/10/09

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